2015年2月15日日曜日

「あきれ果てても あきらめない 福島県集会」開催!

ビッグパレットふくしまに、県内外から200人以上の参加者を集めて、「あきれ果てても、あきらめない 検察に良心はないのか! 2・15福島県集会」が開催されました。ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

団長の挨拶のあと、海渡弁護士から、検察審査会に提出される「上申書」の原案に沿って、「新告訴と不起訴処分の不当性について」の説明がありました(上申書は提出した後、ブログにアップします)。保田弁護士からも不起訴の不当性の説明があり、「これからも弁護団は力強く支えていく」との宣言がありました。


その後、サイエンスライターで国会事故調の協力調査員を務めた添田孝史さんから「地震と大津波、警告を葬った人々」の講演が行われました。

◆添田さんのTwitter  @sayawudon
原発と大津波 資料と補足
原発と大津波 講演資料

添田さんから、次々と明かされる衝撃の事実。東電は「津波の危険性を認識し、対策にコストがかかることから、その危険性を故意に隠ぺいし、データをごまかし、対策を怠ってきた」わけで、会場には怒りが満ちていきました。

20150215 UPLAN 添田孝史「原発と大津波 警告を葬った人々」(あきれ果てても あきらめない福島県集会)
(祐児三輪)


【2015.2.15 福島原発告訴団 あきれ果ててもあきらめない!2.15福島県集会】
(nomorefukushima2011)

講演終了後、告訴人から代表者4人が発言しました。富岡町から会津若松市に避難した古川さんは、「『不起訴って、あいつらは悪くないってことですか?!』 これが、不起訴処分の第一報を聞いたときの私の感想というか、怒りです!!」と語気も強め、憤りをあらわにしました。この言葉は、会場に詰めかけた人々はもちろんのこと、原発事故により生活を奪われ、今も不安な生活を送るすべての人々が持った感想に違いありません。


最後は、集会のタイトル「あきれ果てても あきらめず」を生んだ、講談師の神田香織さんから激励の言葉があり、福島由来の講談を全国に広げ、古里(コリ)原発反対のために韓国・釜山でも公演を行うことを明らかにしました。「政治家たちが仲が悪くとも、私たち市民はどこまでも国籍を超えてつながっていき、必ずや原発をなくしていきましょう!」の声に大きな拍手が起こりました。

東電が危険性を認識しながら対策を取らなかったことは明らかです。
その罪は問われなくてはなりません。
東京検察審査会の審議に向けて、正義を求める声を高めてまいりましょう。

2015年2月9日月曜日

やっぱり納得いかない「不起訴理由説明会」(2015-2-9)

2月9日、福島地検において2回目の「不起訴理由説明会」が開催されました。東京地検から、S検事とK検事が来県。県内外から駆け付けた告訴人30人を前に、「嫌疑不十分で不起訴」とした理由を説明し、質疑に応じました。
 
東京地検の結論は以下のペーパーの通り。
 
 

「東京電力の役員らに刑罰を科すかどうかという刑法上の過失犯成否の観点からみた場合、本件事故について予見可能性結果回避可能性及びこれらに基づく注意義務を認めることはできず、犯罪の嫌疑は不十分である」


検事たちからは、言葉を度々詰まらせながら、理解し難い説明がありました。

◆不起訴とした理由。
・最大15.7mの津波の試算があり、何らかの対策を講じることによって結果を回避できた可能性もあるが、対策をしても回避できなかった可能性もあり、刑法上の罪は問えない。
・10m盤を超える津波が来る可能性を予見する知見が、当時の社会通念上の一般的な理解であったとは、認められなかった。
◆捜査の内容について。
・個別の証人、捜査の内容についてはお答えできない。検察審査会の『起訴すべき』という決議を受けて、十分に捜査を尽くした。

◆告訴人たちの主張。
・女川と東海第二では、推本を突き付けられて対策を講じたことで事故を回避している。福島で対策を講じなかった過失があるのではないのか。
・原発という危険な構造物を動かすには、社会通念を上回る高い知見が求めらるのではないのか。
・保安院は、スマトラ、中越を踏まえて、想定の数倍の対策をしなければならないと話し合っていたはずだ。そのことは東電も知っていた。事実認定が間違っているのではないか。
・「自家発電を高台に置いてほしい」と、津波対策の件を勝俣さんに直接お話しした。「コストがかかるから」とはねのけられた。このことは何度も申し上げているが、私のところには事情聴取もなかった。待っているのに、どうして証言させてくれないのか。
・東電で働いている人たちも、津波の危険性や双葉活断層の話をしていた。非常用電源が2つとも地下に置いてあることに不安を訴えていた。2004年の段階で、非常用ディーゼル発電を高台に移すことはすぐにもできた対策なのに、コストを惜しんでやらなかった。この罪はなぜ問われないのか。
・結論ありきの捜査をしたのではないのか。捜査を打ち切れと圧力があったのではないのか。
・識者からは大津波の可能性も指摘されていた。非常用の電源があれば、全電源喪失は防げた。津波に全部おっかぶせて、防げなかったはずだというのは、事実認識に誤りがある。東電の代弁者、東電の弁護士と話しているように感じる。
・JR北海道は経営陣が起訴された。対策が必要なことがわかっていたのに対策を取らず事故を起こした、その同じ構図なのに、東電だけ優遇されているように思える。
・13万人が未だに避難していて、細胞が放射線によって傷つけられるという意味の傷害事件の被害者は数百万人だ。これほど大きな事件だから立証できないのか。
・このままでは「予見していませんでした」といえば、どんな大事故も罪に問えない社会になってしまうのではないか。
・被害者側の話は聞かず、東電の言い分だけ鵜呑みにして結論を出したように見える。
・検察が判断できないことは、裁判で決めたらいいのではないか。
・あなたがたが決めた不起訴で、東電は大喜び。電力会社はどんどん再稼働。何が起きても罪は問わないと決めた判断は、今後にとって大変な過ちだ。
・危険であるという証明ができなくても、安全であるという証明ができなければ、予防していこうというのが予防原則。「安全よりもコストを優先させる」と、明らかに東電はそういっている。その中で、結局は罪に問えない、嫌疑不十分になるということが、私たちには到底理解できない。

◆検事らの答え。
・捜査の内容はいえないが、必要な捜査を遂げたと思う。今回の地震、津波というものが、量、大きさ、長さにおいて、当時の予測を超えたものであったと認定せざるを得ないと考えている。
・結論ありきということは絶対にない。起訴するために捜査をした。
・みなさんにご理解いただけるとは思えないが、検察の立場からいうと、法律上の犯罪だという結論には至らなかったということだ。我々としても頑張ったが、そういう結論に至った。
・行政上、民事上の責任については、いろいろな考え方がある。

◆告訴団から最後に。
刑法上の過失責任が問えないという結論に対しては、今後、検審で問うことになる。捜査した証拠を提出していただいて、わかりやすく検審の11人が審査できるようにしてほしい。
第二次告訴では、当時者たち、東電の津波対策の当事者、保安院の行政の当時者を訴えている。「過失責任が問えないんだ」という法理を振りかざさず、厳正に捜査してほしい。
説明していただいたことには感謝するが、検審の決議を受けて厳正な捜査を遂げ、予見可能性や結果回避可能性も、裁判上で判明すれば事件の理解も深まったと思う。
検察の職責は、社会が安定していくように糺すことではないのか。そうした意味では、職責は未完であると思う。みなさんの結論は、社会が安定して運営できることではなく、混乱と不安を増長する結果になっているといいたい。このこと、留意していただきたい。



2015年2月4日水曜日

あきれ果ててもあきらめない!2.15福島県集会


福島原発告訴団は、2月15日(日曜日)、福島県郡山市にて集会を開催します。
サイエンスライターの添田孝史さんをお招きし、東電の幹部や津波対策担当者、規制当局の官僚、電事連などがいかにして津波想定を葬ってきたかを解説して頂きます。
1月22日には東京地検が元東電幹部らを再度不起訴としました。この決定への抗議の集会とし、そして新たに東電の津波対策担当者、規制当局の官僚らを告訴する「2015年告訴」の告訴・告発人の参加を受け付けます。

大津波を予測しながら対策を怠ってきた東電、それを手助けすらする規制官僚、 その責任を問わず野放しにする検察庁、被害者が救われないあまりの惨状にあきれ果てるばかりですが、
「あきれ果ててもあきらめない!」
私たちは、まだやれることをやり続け、真実を追い求め、この原発事故の責任を追及します!




2月15日(日曜日)
14:00~16:00
福島県郡山市
ビッグパレットふくしま コンベンションホールB

講師:添田孝史さん(サイエンスライター、元国会事故調協力調査員)

弁護団より、新たな告訴(2015年告訴)の説明

告訴人の募集をします!印鑑(認印)をお持ちください!


*「2012年告訴」・「汚染水告発」で告訴・告発人となられたみなさまには、近々、新たな告訴の告訴人募集のお知らせをお届けします。もう少々お待ちください。

2015年2月3日火曜日

納得いかない「不起訴理由説明会」(2015-2-3)

先月1月23日、「東京地検前抗議行動」を開催しました。前日の不起訴処分を受けて、急きょ呼び掛けた抗議行動にも関わらず、全国から200余名の方が集まってくださいました。みなさま、ありがとうございました。
メディアは、「東電元経営陣、再び不起訴処分へ」のニュースを一斉に報じました。
そんな中、北海道新聞が「社説」にこの問題を取り上げてくださいました。北海道新聞の良識に、心から感謝申し上げます。

東電再不起訴 国民の疑問に答えたか 〈北海道新聞 1月26日 以下抜粋〉
刑事責任を問うべきではないかとの検察審査会の疑問に、真摯に答えたと言えるか。
被災者のみならず、多くの国民にも腑に落ちない結論だろう。
空前の原発事故の真相を解明するためにも捜査資料を裁判という公開の場でつまびらかにし、司法判断を仰ぐべきではないか。
地検に再捜査を求めた前回の議決は常識的な内容だった。 震災の9年前、福島県沖を含む海域で大地震の可能性が予測された。その後、巨大津波対策の必要性が東電社内で認識されながら上層部の判断で先送りされた―。 「人災」という判断だ。なのに地検は今回も「原発の主要機器が浸水する危険性を認識すべき状況にはなかった」とした。
確かに、刑事責任を問う以上、要件は厳格でなければならない。 だが、原発で大事故が起きれば被害は深刻だ。電力会社の経営陣には高度の注意義務が求められ、一般的な事故の過失責任と同列には論じられない。東電の無策と不作為を考える上で見逃せない事実がある。巨大津波は宮城県の東北電力女川原発をも襲ったが、深刻な事故は免れた。計画段階から津波対策を重要課題として敷地を想定津波の5倍の高さの位置に設定していたからだ。
原発を設置する以上、持ってしかるべき問題意識と言えよう。
これでも東電に落ち度はないと言い切れるのだろうか。
検審は検察の判断が適切だったのかを厳しく問うてほしい。

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2月3日(火)、東京地検において「不起訴理由説明会」が開催されました。弁護団から河合弁護士、海渡弁護士、保田弁護士の3人、そして告訴団から30人が駆け付けて、担当検事から直接説明を聞きましたが、その内容は到底納得のいくものではありませんでした。

◆検察側の説明。
半年にわたって捜査し、刑法上の判断を行った結果、第一次裁定と同じ判断に至った。
刑法上で過失責任を問い、これが犯罪であると立証するには、起きた結果について、回避できた可能性もあるけれど、回避できなかった可能性もあっては難しい。
検察審査会の議決を踏まえて、東電が試算していた15.7メートルで事故を回避できたかということを捜査して、証拠に基づく判断においては、対策をしても回避できなかったと、こういう判断にならざるを得ない。刑法上の責任があるかどうかを捜査して判断した。
我々も、異例の捜査体制、異例の捜査期間で、若手も含め捜査にあたった。
ご理解いただきたい。

弁護団からは、納得いかぬ旨、さまざまな質問が飛びましたが、「捜査内容は具体的に話せない。捜査を尽くして判断した。証拠に基づくと、こうした判断にならざるを得ない」と、繰り返し繰り返し説明され、議論は平行線でした。

最後に武藤団長から、「捜査を尽くしたと仰るけれど、納得はできない。国民のほとんどは不起訴に納得いかないと思う。新たな告訴の事件については対応を考え直していただきたい。強制捜査も視野に入れてほしい」との言葉があり、次回、福島での説明会(2月9日)に持ち越されることになりました。

「呆れ果てても諦めず」その気持ちで前に進みましょう。