2016年3月29日火曜日

汚染水告発が不起訴処分

本日、福島地検より、福島原発告訴団が2013年に公害罪法違反で刑事告発していた汚染水放出事件について不起訴処分にしたとの連絡がありました。



告発事実は2点あり、福島地検は、
1.溶接型タンクから漏えいさせた件について、 廣瀬社長ら4名と法人としての東京電力を嫌疑不十分、ほか28名を嫌疑なし、
2.遮水壁先送りにより被害を拡大させた件について、勝俣元会長ら6名と法人としての東京電力を嫌疑不十分、ほか26名を嫌疑なし、
としたことを発表しました。

処分の詳細については、福島地検の「東京電力福島第一原発の汚染水に係る公害罪法違反告発事件の処理について」をご覧ください。


この件について、福島原発告訴団は本日17:30より、東京高裁の司法記者クラブで緊急記者会見を開きます。


参考
汚染水海洋放出事件を刑事告発! (2013年9月3日付記事)
汚染水の漏えいは東京電力の環境犯罪だ(2016年2月・海渡弁護士作成・PDF)
東京電力福島第一原発の汚染水に係る公害罪法違反告発事件の処理について(PDF)


2016年3月27日日曜日

4.5 検察審査会激励行動&東電抗議行動

福島原発告訴団は、東電勝俣元会長ら幹部3名が強制起訴となった「2012年告訴」の他に、東電と旧経産省保安院の津波対策担当者5名についても申立てを行い(「2015年告訴」)、現在、東京第一検察審査会で審査が行われています。
4月末は検審審査員の交代時期のため、議決が発表される可能性があります。
東京第一検察審査会においても、市民の良識に従った判断をしてくださるよう、訴えかけていきましょう。
その後、東京電力本社前にて抗議行動を行います。東電に対し、これから始まる「刑事裁判」に真摯に向き合い、責任を認めるように迫っていきたいと思います。
 平日ではありますが、ご都合のつく方はどうぞご参加ください!

4月5日(火) 「検察審査会激励行動&東電抗議行動」
12:00~12:45  東京検察審査会激励行動 (東京地裁前)

13:15~14:15  東電本社前抗議行動 (東京電力本社前)

2013年5月31日 東電前抗議行動  撮影:今井明

2016年3月22日火曜日

4.9 福島原発刑事訴訟支援団 福島集会!

先月2月29日、東京電力の元幹部、勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長の3人が、業務上過失致死傷の罪で在宅のまま強制起訴されました。
また、3月14日に指定弁護士が、早期に第一回公判期日(初公判)を開くよう裁判所に要請したことが明らかになりました。参考:指定弁護士、証拠全面開示へ(支援団HPより)
いよいよ、福島原発事故の刑事責任を問う初めての裁判が開かれます。

 告訴人や支援者のみなさまからのご支援に心から感謝を申し上げます。そして、これから始まろうとする刑事裁判にも、多くのみなさまのご支援をお願いいたします。
 今後開かれる法廷で、事故の真実と被告人の責任が明らかになっていきます。ぜひとも、福島原発刑事訴訟支援団に加わって応援して下さい。
 4月9日(土)14:00~16:00、郡山ユラックス熱海で開催する「ひろげよう!福島原発刑事訴訟支援団 福島集会」にみなさん声かけあって集まってください。心からお願い申し上げます。

ひろげよう!福島原発刑事訴訟支援団 福島集会
~ようやく原発事故の責任が問われる~
日時:4月9日(土)14:00~16:00
場所:郡山市 郡山ユラックス熱海 2階第1~第3会議室 TEL024-984-2800
呼びかけ人アピール 神田香織さん(講談師)
弁護士からの説明 海渡雄一さん(弁護士)
告訴人アピール
主催:福島原発刑事訴訟支援団 http://shien-dan.org/ (080-5739-7279)

講談師 神田香織さん (支援団呼びかけ人)

弁護士 海渡雄一さん (支援団呼びかけ人)
 

2016年3月17日木曜日

指定弁護士、証拠全面開示へ

3月14日、指定弁護士は下記のプレスリリースを出し、被告人勝俣恒久らの弁護人に対し、事件の証拠約4000点の一覧表を交付し、請求があれば基本的に開示することを伝えたと発表しました。また、東京地裁にもそのことを伝え、初公判(第一回公判期日)を早急に開くよう要請したとのことです。

告訴団弁護団の海渡雄一弁護士は、
「大変興味深いことは、検察官役はすべての証拠を法廷に提出しようとしていることで、早急に公判を開くよう要請したということは、公判前整理手続はいらないと主張していることになります。
確かに、公判前整理手続をしなければ、直ちに法廷が開かれて、冒頭陳述の中で、洗いざらい証明可能な事実が示されることになります。
早期に公判を開き、どんどん証拠を出していく方針ではないかと感じました。
次は弁護側と裁判所側の対応が注目されます。」
と分析しています。


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被告人勝俣恒久氏ほか2名に対する業務上過失致死傷被告事件について

1.日時   平成28年3月14日

2.発信者   検察官の職務を行う指定弁護士

3.公表事項

① 指定弁護士は,本日弁護人に対して,検察官(指定弁護士)が本日現在保管する「証拠」(約4000点)の一覧表(刑事訴訟法改正案第316条の14第2項所定の一覧表に相当するもの)を交付いたしました。

② 指定弁護士は,本日弁護人に対して,上記「証拠」につき,弁護人から請求があり次第,基本的にすべて開示(開示によって弊害がある場合を除く)する旨を伝えました。

③ 指定弁護士は,本日,係属裁判所に対し,以上の意向を伝えるとともに,本件につき第一回公判期日を早急に開かれるよう,要請しました。

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共同通信配信記事


2016年3月3日木曜日

指定弁護士からの「処分通知書」

処分通知書
東地企第1088号
平成28年2月29日

武藤類子ほか1325名
代理人 海渡雄一 殿


検察官の職務を行う指定弁護士 石田省三郎


 貴殿から平成24年8月1日付けで告発のあった次の被疑事件は、下記のとおり処分したので通知します。


1 被疑者 勝俣恒久,武藤栄,武黒一郎

2 罪名 業務上過失致死傷

3 事件番号 平成27年検第23713号~23715号

4 処分年月日 平成28年2月2

5 処分区分 起訴


2016年3月1日火曜日

東電3被告の起訴に係る「経緯・意義・展望」

福島原発告訴団の海渡雄一弁護士から、起訴に係る資料が3点届きました。
  1. 東京電力福島第一原子力発電所における事故に係る起訴議決事件の処理について
  2. 福島原発事故にかかる強制起訴議決にもとずく公訴提起の意義と今後の展望
  3. 強制起訴議決のポイントと起訴後の裁判展開


事件の経過は、3のパワーポイントで詳しく解説されています。
この事件の争点がどこにあるか、ぜひご確認ください。

 以下に「福島原発事故にかかる強制起訴議決にもとづく公訴提起の意義と今後の展望」を転載しました。

東電元幹部3人起訴へ! 人災の真実を明らかに!

 
2016年2月29日、検察官役の指定弁護士は東京第5検察審査会の起訴議決に基づいて、東電の勝俣恒久・元会長(75)ら当時の役員3人を「業務上過失致死傷罪」で東京地裁に強制起訴しました。
3被告は、東日本大震災の3年前の2008年3月、福島第一原発に高さ15.7メートルの津波が押し寄せるとの試算評価を受けて、津波対策に一時は着手しておきながら途中で方針を転換。防潮堤の建設や小型発電機の高台設置など取るべき必要な対策を怠り、2011年3月11日の東日本大震災に伴う津波による全電源喪失で原発の炉心損傷を発生させました。その結果、原発近くの病院から避難を余儀なくされ、症状が悪化した入院患者ら44人を死亡させ、爆発した原発のがれき片などで自衛官ら13人に傷害を負わせました。

3被告は無罪を主張するものと思われますが、「明らかな人災」と言われた原発事故の真実が、司法の場で明らかになるための大きな一歩を踏み出すことができました。この裁判は、誰も責任を取らないで済む仕組みを改め、原子力政策の転換を求める闘いでもあります。おそらく長い裁判になりますが、なにとぞご支援ください。

◆福島原発刑事訴訟支援団 会員募集中 
 

◆UPLANさんの動画
【記者会見】「強制起訴」を受けての福島原発告訴団緊急記者会見


◆OurPlanet-TVさんの動画
東電幹部ら強制起訴~「真相を明らかに」告訴団

◆IWJ-Fukushimaさんの動画
http://www.ustream.tv/recorded/83899273
http://www.ustream.tv/recorded/83900057

◆報道
東電元会長ら強制起訴 原発事故の責任追及(福島民報社)
事故の「責任者」追及 東電元会長ら強制起訴、真相解明も期待(福島民友新聞社)
東電元会長ら3人を強制起訴 福島原発事故の責任問う(朝日新聞)
巨大津波予測が最大の争点 東電元トップら強制起訴(東京新聞)
東電「想定津波15メートル」争点に 元会長ら無罪主張へ(毎日新聞)
福島第一原発事故、東電の元会長ら3人強制起訴(読売新聞)
東電の勝俣元会長ら3人を強制起訴 福島原発事故(日本経済新聞)
東電元会長ら3人を強制起訴 検察審査会の起訴議決受け(産経新聞)
<東電元幹部強制起訴>明らかな人災 有罪を(河北新報)
勝俣恒久元会長ら東電元幹部3人を強制起訴 「原発事故を予見できた」(ハフィントンポスト)
強制起訴「被害者の励みに」=真相解明に期待-福島原発告訴団(時事通信社)
「歴史的な出来事」「被害者の励みに」東電旧経営陣の強制起訴を受け原発告訴団が会見(弁護士ドットコム)
「やっとここまできた」 告訴団長・武藤類子さん(中日新聞)
東電元会長ら強制起訴 福島原発事故「津波対策怠る」(中日新聞)
 
◆社説
【東電強制起訴】説明責任を果たせ(3月1日)(福島民報社)
【2月27日付社説】東電旧経営陣起訴へ /「事故は防げたのか」解明を(福島民友新聞社)
東電元会長ら強制起訴/原因と責任の総括が必要だ(河北新報)
「東電」強制起訴 原発事故の真相解明を(北海道新聞)
原発強制起訴 検証の重要な機会だ(朝日新聞)
原発事故起訴へ やはり「人災」でないか(東京新聞)
東電強制起訴 証拠に照らした公正な審理を(読売新聞)
原発の安全対策問う強制起訴(日本経済新聞)
東電元会長ら起訴 天災の刑事責任問えるか(産経新聞)
 
◆動画ニュース
告訴団「公正な判決を信じている」(毎日動画)
起訴すべき・東電旧経営陣3人を強制起訴 原発事故(テレビ朝日)
東電旧経営陣3人を強制起訴 福島原発告訴団「感慨無量の感」(FNNローカル)
「気になるニュースワード」 「強制起訴」について(FNNローカル)
東電の旧経営陣3人 原発事故巡り強制起訴(NHKニュース)