2015年1月6日火曜日

「ムラの結束はなかなか固い」

奥尻島津波や阪神・淡路大震災で想定を超える災害に見舞われた反省から、農水省など7省庁が「津波対策強化の手引き」を作成していたことを受け、1997年に通産省(当時)は電力会社に、津波高を数値解析の2倍で評価したら原発がどうなるか、その対策は何が考えられるか提示するよう要請しました。
そして2000年の電事連(電気事業連合会)総合部会で、原発への影響評価が報告されました。
それによると、福島第一原発は、想定の1.2倍の津波でも原子炉冷却に影響が出る、日本で最も津波に弱い原発だったことが明らかになっています。

国会事故調参考資料41頁より一部改変

東電は、2000年時点でこのような津波評価を得ていながら、そしてその後も更なる津波試算を何度もしていながら、ほとんどまともな対策をとらないまま、3.11を迎えました。
福島県と隣接県の住民約4000人が起こした「生業訴訟」は、この津波評価に関わる資料や議事録等の文書、想定津波のシミュレーション関連資料などの提出を求め、それを裁判所も認めましたが、電事連も東電も提出を拒否しました。(参考:BLOGOS 木野龍逸2013.12.3付記事) 




政府事故調査委員会ヒアリング記録 山形浩史調書より
 昨年12月25日に追加公開された政府事故調の山形浩史調書では、規制側の立場から、電力会社が積極的に安全対策を取りたがらないということ、電力会社が安全対策に切磋琢磨するのではなく、馴れ合いの中で手を抜いてきたことを指摘しています。
ただし国会事故調が指摘したように、規制側も事業者の「虜」となってムラの一部と化していたという批判からは逃れられません。


東京地検は不起訴理由書の中で、推本(国の地震調査研究推進本部)の長期評価公表の前後に福島沖海溝沿い想定津波の知見は見当たらない、としていますが、 1998年にはすでに国の7省庁が報告書を出しており、電力事業者もそれを踏まえた検討をしおり、予見可能性がないとして不起訴の判断を下した東京地検の 判断は、事実誤認による誤りです。