Q.今日の率直な感想と、今後どのような捜査を望むか。
今日の4時20分に、弁護士さんのところに福島地検の方から、今回の告訴を正式に受理したという連絡が入りました。受理されたことに関しては、とてもよかったと思っています。福島県民1324人が告訴したのですけれど、その声が届いたものと思っています。今回の1324人以外にも、声を出せなかった人、原発関連で亡くなった方々、被曝した子どもたちもいます。そうした声が届いたものと思っております。
これから捜査というものが始まるのですが、被告訴人たちの犯罪について、厳重な捜査をしていただきたいと思っています。国会や政府の事故調査委員会が事故の最終報告を出してきましたけれども、その中でも調べられなかった部分を、検察にきちんと捜査していただきたいと思っています。結局、事故調では、個人の責任がなかなか問えなかったのですが、私たちの告訴は33名の個人を対象としております。個人の事故に対する責任を、一つひとつ明らかにしていってほしいと心から思っております。
Q.被曝が傷害と認められるか、法的に立証が難しいといわれているが。
そのように新聞でもいわれていますが、私たちとしては、放射線が体を通過していくこと自体が傷害だと思っておりますので、そのことも一つの罪状になると思っております。業務上過失致死傷が認められない場合でも、公害犯罪処罰法というものを一つの罪状と考えておりますし、激発物破裂容疑という罪状も考えております。いろいろ多方面から事故に関しての、犯罪的な部分を推挙していきたいというふうに考えています。
Q.福島原発告訴団の告訴受理は、他の全国の原発関連訴訟に比べて比較的早く行われたように思うが、何が働いたと思うか。
被害者である告訴人が、1324人というたくさんの人数であったということが、一つのカギであったのではないかと思います。
東京地検の方でも、今日、その他の告訴が受理されたと聞いています。
Q.一気に動いたということですね。それは世論が?
それはあると思います。それといろいろな事故調査委員会で最終報告書が出たということもあると思います。
Q.告訴告発という住民からの声で検察が動いたわけだが、法的手続きをしたことでやっと動き始めたことに、不満はあるか。
これだけの事故を起こして、今までなぜ動かなかったのか、私たちもとても不思議です。不思議に思っていましたが、今回、私たちの告訴だけではないと思いますが、告訴が大きな意味をなして捜査が始まるということに関しては、やはり福島県の住民がみんなこのことに関して怒っているし、この責任の取らなさ加減というか、無責任さに非常に憤っている、そういうことがあると思います。それが今回の受理ということにつながったと思います。
Q.最後に改めて訴えたいことを。
告訴を受理されたということで、一歩前進したというふうに思っております。これから本当に適正な捜査がなされて、きちんと責任ある人たちの責任が問われていくことを願ってやみません。そのためには私たちが地検の行方を、きちんと見つめ続けていきたいと思っております。
福島県民のみならず、今度は第二次告訴というものを考えておりまして、全国展開で、全国国民が、責任をきちんと取ってほしいということを思っているという世論を、また高めていきたいと思います。
Q.第二次告訴はいつ頃に。
11月半ばの予定です。全国に8カ所の県外事務局を設置しているところです。他県エリアというものがほぼ決まってきました。8月半ばから正式に、県外告訴人の申し込みを受けることになります。
Q.どのくらいの規模で。
1万人規模くらいにしたいと考えております。
◆報道◆
原発事故の告発受理 福島など3地検(福島民報)
原発事故捜査へ 東京・福島地検 告訴・告発を受理(東京新聞)
福島の原発事故、捜査開始へ 地検が告訴・告発を受理(朝日デジタル)