2019年10月4日金曜日

刑事裁判傍聴記:第38回公判(添田孝史)

「無罪」 証拠と矛盾多い忖度判決


 有罪は厳しいかもしれない、という予想はあった。しかし刑法上の責任を問うのが難しい結果になるとしても、ここまで判決内容が腑に落ちないものになるとは想像していなかった。唖然とした。

 開廷は2019年9月19日、午後1時15分。永渕健一裁判長は「被告人らはいずれも無罪」と言い渡し、それから午後4時半ごろまで、休憩を挟んで約3時間にわたって、とてもメモを取りきれない早口で判決要旨を読み上げ続けた。

読み上げを聞いていると、「あの証拠と矛盾している」「そこまで言い切る根拠はどこにあるの」「なに言ってんだ、それ」という疑問が次から次へと頭に浮かんできた。この裁判では、証言だけでなく、電子メールや議事録など、事故を読み解く豊富な証拠を集めていたはずだ。よい素材はあったのに、どうしたこんなまずい判決になったのだろう。

 検察官役の指定弁護士を務める石田省三郎弁護士は「国の原子力行政を忖度した判決だ」と記者会見で語気を強めた。

 判決要旨を聞いて浮かんだ以下の疑問点を整理しておきたい。

無罪判決後、記者会見する石田省三郎弁護士(左から2番目)

 

事故を避ける手段は、運転停止だけなのか

   判決要旨では、「本件事故を回避するためには、本件発電所の運転停止措置を講じるほかなかった」(p.13)としている。しかし、日本原子力発電が、東海第二原発で建屋への浸水防止、海沿いの盛り土などの工事に2008年に着手し、震災までに終えていた(*1)。日本原電の元幹部は、NHKの取材にこう述べている(*2)

「もし津波のリスクがあるなら、事前に対応しておいて万一津波が来ても、大丈夫なようにしておきたい」

「長期評価などをもとに、津波がいつかくるというリスクは社内で共有されていたと思う。まずはできる対策をとっていき、大規模な工事は今後順次やっていけばいいという考えだった」

 東電も、運転停止しなくても、「まずはできる対策」から着手することは可能だったはずだ。

 もともと、原子力安全・保安院が2006年9月に各電力会社に要請した耐震バックチェックは、従来想定を超える新知見があった場合でも運転停止は必要とされていない。運転しながら、3年以内に補強工事を終えることを求めていた。「新知見が見つかれば、即運転停止して対策工事」のような、強い結果回避策は、社会通念上も要求されていなかった。

 判決のこの点については、識者からも意見が多くだされている。

山本紘之・大東文化大教授「事故を防ぐためには原子炉停止が必要だったとして有罪認定のハードルを不必要にあげている点にも疑問が残る」(東京新聞2019年9月20日朝刊2面) 

松宮孝明・立命館大教授「事故を回避する方策として、影響が大きい運転停止だけを検討した点は疑問が残る」と語り、他の対策も認めれば、「予見可能性のハードルは相当低くなっていたはずだ」(朝日新聞2019年9月20日朝刊2面)。

大塚裕史・明治大教授「事故回避の措置として指定弁護士は原発の運転停止の必要性に焦点を当てたが、実行するのは簡単ではなく、有罪のハードルを高めたといえる。控訴するのであれば、運転停止以外の対策でも事故を防げたと立証できるかが、カギとなるだろう」(読売新聞2019年9月20日朝刊38面)

「他社や専門家の意見を聞き、必要な対応を進めていた」?

「安全対策でも適宜社内で検討し、他社や研究者から意見を聴き、行政の考えも踏まえた上で必要と判断される対応を進めていた」(判決要旨p.23)

 しかし、実態は「意見を聴き」ではなく、「東電が決定した方針を了承させる根回し」だったことは、議事録や電子メールで明らかになっている。

 たとえば、東電の高尾誠氏が秋田大高橋先生に面談した時のメモには、以下のように書かれていた。

「長期評価の見解を今すぐ取り入れないなら、その根拠が必要でないかとのコメントがあった」
「非常に緊迫したムードだったが、(東電の方針を)繰り返し述べた」(*3)

  こんなやりとりを、「意見を聴いて必要と判断される対応を進めた」とする裁判所はおかしいだろう。

 東電は、東北電力が貞観津波の想定を進めていることを聞き、東北電力に圧力をかけて、その報告書を書き換えさせた事実もわかっている(*4)。裁判所は、こんな悪質な方法も「必要と判断される対応」と考えているのだろうか。

 東海第二で津波対策を進めた日本原電の元幹部が、NHKの取材に対して興味深い証言をしている(*5)

「他の電力のことも考えながら対策をやるというのが原則でして。東京電力とかに配慮をしながら、物事をすすめるという習慣が身についている。対策をやってしまえば、他の電力会社も住民や自治体の手前安全性を高めるため対策をとらないといけなくなる。波及するわけです。だから気をつけている」。東電の無策が福島の地元にばれてはいけないから、日本原電は、東電が先延ばしした長期評価津波への対策を、こっそり進めていたというのだ。

「外部から東電の対策について否定・再考の意見は出ていない」?

「東京電力の取ってきた本件発電所の安全対策に関する方針や対応について、行政機関や専門家も含め、東電の外部からこれを明確に否定したり、再考を促したりする意見が出たという事実も窺われない」(判決要旨p.24)

 外部から意見を言う前提には、東電の安全対策に関わる情報が開示されている必要がある。ところが、東電は高さ15.7mの津波計算結果(2008年)、高さ10mを超える津波は炉心溶融を引き起こすこと(2006年)など、重要な情報をずっと隠していた。

 専門家といっても、詳しい領域は限られている。地震や津波の専門家は、対策の専門家ではない。津波想定が10mを超えるとクリフエッジ的に被害が一気に拡大するという情報を持っていない。逆に、対策の専門家(プラントの機電側)は、従来想定を超える高い津波を地震学者がすでに予測されていることを知らなかった。そんな状況で、東電の安全対策を否定したり、再考を促したりすることは不可能なのだから、「専門家から意見が出たという事実は窺われない」という判決の指摘は的外れだ。

 保安院は2006年ごろ、東電と日本原電を名指しで「津波想定の余裕がない」「ハザード的に厳しい地点では弱い設備の対策を取るべきなど、厳しい意見が(保安院やJNESから)出ている」として対策を促していた(*6)。行政機関から意見は出ていたのだ。その後、日本原電は対策をしたが、東電は先延ばしを続けた。

「長期評価は取り入れるべき知見と考えられていなかった」?

「長期評価の見解は、本件地震発生前の時点において、他の電力会社がこれをそのまま取り入れることもないなど、原子炉の安全対策を含む防災対策を考えるに当たり、取り入れるべき知見であるとの評価を一般に受けていたわけではなかった」(p.30)

 国の研究開発法人である日本原子力研究開発機構は、東海再処理工場の津波想定で、長期評価の見解そのままを「採用する」(2008)としていた(*7)。日本原電は、「そのまま」ではなく日本海溝沿いの北部と南部で地震の規模を分けたものの、前述のように長期評価の見解にもとづく対策工事を実施した。

 土木学会津波評価部会も、2009年以降進めていた津波評価技術の改訂作業で、「日本海溝沿いのどこでも津波地震が起こりうる」という長期評価の考え方を取り入れようとしていた。

 判決の指摘は、まったく的外れだ。

ずさんな確率計算で長期評価の信頼性を語る愚策

「1〜4号機の津波ハザード曲線は、10mを超過する確率が10万年に1回よりやや低い頻度にとどまっており、これは通常設計事象としてとりこむべき頻度であるとまでは必ずしも考えられていない。津波ハザード解析の結果も、長期評価の信頼性が高いことを示していたとは言えない」(p.31)

この津波ハザード解析は、津波評価部会メンバー(約半分は電力社員、地震の専門家はごく少数)へのアンケート結果をもとにしているから、その結果には限界がある。JNESが震災後に計算しなおしたら、一桁違う値が出ている(*8)。この程度の根拠しかない数値を根拠に長期評価の信頼性を判断するのは暴論だ。

原電と東電、どちらが「合理的」だったのか

「法の定める安全性は、どのようなことがあっても放射性物質が外部に放出されることは絶対にないといったレベル、あるいはそれとほぼ同じレベルの、極めて高度の安全性を言うものではなく、最新の科学的、専門的知見を踏まえて、合理的に予測される自然災害を想定した安全性であって、そのような安全性の確保が求められていたものと解される」(p.36)。

「被告人3名がそれぞれ認識していた事情は、津波の襲来を合理的に予測させる程度に信頼性、具体性のある根拠を伴うものであったとは認められない」(p.39)

「合理的に予測される」と考えたからこそ、日本原電や東北電力は、地震本部の長期評価や貞観地震への備えを進めたのだろう。東電もどちらかの地震を想定すれば、10mを超える津波への対策をしなければならなかったが、二つとも先送りし、大事故を引き起こした。

 地震本部の長期評価にもとづく高い津波を想定し「万一に備えて」「できることから」対策を進めた日本原電。一方、2016年まで先送りすることにして事故時まで何も対策しなかった東電。どちらが「合理的」だったと裁判所は考えているのだろう。日本原電や東北電力の備えは「極めて高度な安全性」を求めた過剰なもので、運転停止どころか簡単な対策さえもしなかった東電こそが「合理的」とでも言うのだろうか。
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*6 原子力安全・保安院 小野祐二氏の調書(刑事裁判甲B75)
 
 
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添田 孝史 (そえだ たかし)
サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
(ともに岩波新書)

添田さんの公判傍聴記一覧

2019年9月30日月曜日

控訴が決定しました!

本日9月30日15時10分、検察官役の指定弁護士が控訴の手続きをしました。

東京地裁の不当判決を認めることなく、控訴審で引き続き東電旧経営陣の罪が追及されます。

緊急署名にご協力下さったみなさまに感謝を申しあげます。
署名に添えられたコメントも指定弁護士のみなさまにお届けしました。
きっと私たちの想いが届いたのではないでしょうか。

長いたたかいとなります。引き続き、よろしくお願いいたします。


被害者参加代理人のコメント

2019年9月30日
被害者参加代理人
海渡雄一
河合弘之
甫守一樹
大河陽子

 私たちはこの判決に控訴していただきたいと強く願ってきました。
 本日、指定弁護士の皆さん方が、控訴を決断してくださったことに心から敬意を表します。
 判決直後から今日までに、控訴を求める署名が、インターネット上で約1万3400名、紙上で約900名、合計約1万4300名の署名が集まっています。
 昨日、郡山の駅前で行なわれた街頭署名時にも、数多くの市民の方が足をとめて署名してくださいました。
 この判決に、多くの市民、とりわけ、この事故で被害を受けた地域住民の方々が到底納得していないと思います。
 私たち被害者参加代理人としては、この事件における指定弁護士の活動を全力で支えていきたいと思います。
 そして、一審で指定弁護士を務めていただいた石田先生ほか4名のチームで控訴審を闘っていただきたいと思っております。

以上

2019年9月22日日曜日

支援団・告訴団 判決後記者会見概要

判決後に行われた支援団・告訴団の記者会見の概要です。


武藤類子・告訴団団長:
今日の裁判について、残念の一言に尽きます。
あれだけの証言や証拠がありながら「これでも罪を問えないのか」と、悔しい思いです。
裁判所は間違った判断をしたと思います。
裁判官は福島の被害に真摯に向き合ったのだろうか。福島の現場検証を棄却したこと自体が既に誤りではなかったのかと思います。
この判決は、もっとも責任を取るべき人の責任を曖昧にし、二度と同じような事故が起きないように反省し、社会を変えていくことを阻むものだと思います。
福島県民をはじめ、原発事故の被害者は誰一人この判決に納得していないと思います。
検察官役の指定弁護士のみなさんにはほんとうにお世話になりましたけれど、更なるご苦労をおかけしますが、控訴してくださることを望んでいます。

海渡雄一弁護士:
これほどひどい判決は予測していなかった。司法の歴史に汚点を残す判決だ。指定弁護士には必ず控訴して頂いて、高裁でよい判決を求めたい。
この判決の一番大きな点は、結果回避措置が間に合わないので原発を止めなくては防げないが、事前に原発を止めろという意見は出てなかったではないかというもの。抜けているのは、東電は長期評価に従って10mの敷地を超える津波の計算をしたのに何もせず、福島県にも隠して国には2011年3月7日にようやく言った。原電の幹部は「そんな先送りでいいのか」と言っている。安保氏も酒井氏を問い詰めている。
御前会議で山下氏が説明したという山下調書の信用性がないという。裁判長がいろいろ述べたが、配布された判決要旨では簡略化されて書いていない。証拠では「社長会議で説明済み」とメールで2度も出ている。議事メモにもある。裁判所の判決認定が間違っている。

甫守一樹弁護士:
裁判所がこちら側に敵意を持っているのではと窺われる訴訟指揮だった。予想を上回ってひどい判断だと思う点が2点、ひとつは民事の損害賠償訴訟では長期評価の信用性は認められているが、刑事では否定された。島崎先生や松澤先生の証言、阿部勝征先生の「長期評価取り入れるべき」という調書があったのに、長期評価の信用性を全面的に否定するかのような判断は納得できない。伊方最高裁判決は「万が一にも起こらないように」としていたのに、この判決は、「極めて高度な安全性は求められない」と判断されている。
事故前は絶対安全かのように東電は宣伝していたので、絶対安全に近い安全が確保されることを期待されていたはずなのにこの認定になるのはどうなのか。

大河陽子弁護士:
原発事故の被害について、冒頭では「取り返しのつかない甚大な被害」と認定したにもかかわらず、安全性についてのところでは、「絶対的な安全は求めない」「極めて高度な安全性まで求めない」と言って、長期評価が一般防災のためにデータが少ないところまで評価したにもかかわらず、そこまでは原発の安全性には求められないという認定をした。取り返しのつかない被害と認定しておきながら、安全性を考えるときに被害の重大性を真剣に捉えているとは到底思えない。双葉病院の患者らの悲惨な亡くなりかたを思うと考えられない判決だ。

海渡:
裁判所は冒頭で、原子力安全に求められていたこと、伊方最高裁判決が求めているやり方を否定している。事故の確率を全くゼロにしろと言っていた訳でなく、長期評価は30年に20%という極めて高い確率だと国家機関が言っていた。それを考慮しなくていいと裁判所が言ってしまった。この判決をこのまま確定させてはいけない。原子力の事故を繰り返す、招き寄せる異常な判断だ。

記者1:
かなり踏み込んで長期評価を全否定したが、海渡さんはどう感じたか?
海渡:
これは証人尋問とまったく反する。前田氏・島崎氏・都司氏らが証言した。弁護側証人の松澤氏も賛成だと言った。今村も2008年2月には高尾氏に長期評価に基づくように言っている。そのような客観的事実があるのに、都合のいい所だけつまみ食いしている。

記者2:
強制起訴で公判になったことの意義は?
海渡:
この裁判をやらないと検察の集めた証拠、会議録やメール、資料、山下調書も闇に葬られるところだった。それを社会に明らかにした。
配布された判決要旨の作り方が卑怯で、弱点の部分を法廷では読み上げたのに要旨から省略している。このまま記者が使うのではなく、これまでの37回の公判を傍聴した判断をしてほしい。
河合弘之弁護士:
強制起訴に持ち込んだところで半ば勝利している。もし不起訴のまま終わっていたらこれらの証拠は歴史の闇に葬られていた。それが白日の下にさらされた。それだけでも歴史的価値がある。控訴審で証拠の再検討がされると思っている。
今日の判決の論法では巨大企業の巨大施設による過失事故は一切罪に問えなくなる。責任追及する方法をもとから放棄している。刑罰によって重大事故を禁圧できなくなる。

記者2:
証拠が出たことによって社会にどう影響を与えるか?
海渡:
損害賠償訴訟で刑事裁判の証拠が使われている。東電の内部であったことを概ね認定されている。

記者3:
配られた要旨に書かれずに裁判長が述べたこととは?
海渡:
2008.2.16御前会議について、「山下氏が資料の配布だけしたのに説明をしたと勘違いしたのでは」というようなことを言ったところ。それと、「もしもここで会社の方針として了承されていたら、もう一度武藤に説明に行くはずない、武藤の一存でひっくり返せるはずない」と言ったが、ここは明らかな間違いで、この時はまだ7.7m+αで4m盤の対策のこと。そのあと15.7mがわかって10m盤の対策のため武藤と打ち合わせしたのが6月10日。その部分が皆さんに配られた要旨にはない。「センター長はこれらの事実があった旨供述するが、これと整合しない事実がある」これしか書いていなくて全く分からない。ほかにも省略していた。要旨だけで済ますのは危険。

記者4:
東電だけでなく保安院も長期評価に重きを置いてないと判決で強調されていたが、国の責任はどうか?
海渡:
保安院は長期評価を無視していいとは言っていなくて、早く計算結果を持って来いと言っている。それを東電はずっと隠していた。東電が隠していたことが判決から抜けている。「規制の虜にしていた者を勝ちとする判決」だ。

記者5:
強制起訴制度の限界を感じたか?制度については?
海渡:
もともと証拠が足りないものは難しいが、今回は検察が起訴前提の捜査が完了していた。不起訴後に作られたおかしな証拠もあるが。強制起訴制度で有罪にできる稀有な例になるはずだった。普通の検察官なら開示しない証拠も公正に証拠開示して行われた公判だった。だからはっきり言って裁判所がおかしかったと思う。

記者6:
武藤さんに聞きたい。被害者としては57人だが、福島では関連死もどんどん増えて、被害者という意味ではもっといろんな思いをした人が福島から裁判を見ていたと思うが、どういう思いで今日まで裁判を取り組まれていたのか?
武藤:
この裁判では限られた方たちが被害者に認定されたが、その後ろに何十万もの被害者がいて、その困難はいまも続いている。事故の時だけではなく今も。裁判に大きな期待を寄せていた。しかし今回の結果は残念だということに尽きる。裁判所は間違った判断をしたと思う。全ての公判を傍聴をしてきて、これはやっぱり犯罪だったと何度も何度も感じてきた。しかしこの判決は残念でならない。多くの福島の被害者は納得できない思いでいると思う。

記者6:
全国で再稼働されている。あらためて事業者が災害予測に向き合った時に求められる姿勢については?
武藤:
原子力を扱う企業は、いったん事故が起きてしまえばどんなことが起きるか福島原発事故で本当に分かったと思う。にもかかわらず再稼働をする感覚は私にはとても信じられない。私たちの犠牲はいったい何だったのかと思う。この犠牲から反省と教訓を得て、安全対策や、原発が発電方法として本当に正しいのか、そこから考えてほしいと心から思う。
河合:
結局、想定外だったのだからしょうがない、ということなのだろうが、また想定外は起こるのだから原発を無くすしかないというのがむしろ判決の結論になる。原発を安全に運転する方法がないと言っているのと同じなのだから。

記者7:
判決で、当時の基準は絶対的な安全性を前提としていないとあるが、今の安全基準は絶対的な安全性を前提としていると認定しているのか?
甫守:
伊方最高裁判決があったので、むしろ事故前の方が絶対的安全性が求められるという法解釈が司法にあった。事故後になって地震も津波も火山も予測できないという話が出てくると、司法は急にコロッとそこまで求めていないよと、3.11を踏まえて厳しくなった規制基準が、なぜか3.11を契機にゆるくなったという司法判断が続出した。そういう判決の延長にこの判決があるのでは。伊方最高裁判決をゆがめられているのではないか。

【緊急署名】 東電刑事裁判元経営陣「無罪」判決に控訴を!

検察官役を務めてくださった指定弁護士の皆さんに控訴のお願いです!

9月19日、東電刑事裁判の東京地裁判決は、残念ながら、「全員無罪」という許しがたい不当判決でした。
不当判決に対して、このままではいられません。検察官役を務めてくださった指定弁護士の皆さんに、控訴のお願いをしてください。

控訴期限は2週間だそうです。10月2日まで、短期決戦です。どうぞ、SNSでの拡散、MLでの拡散をお願いします。下記、緊急署名ページです。
http://chng.it/7gHfXnFkK7

紙の署名も始めました。こちらは10月1日必着でお願いします。
署名PDFをダウンロード
撮影:松原明

2019年9月15日日曜日

9月19日は判決日!

2012年に福島県民はじめ全国1万4,716人が告訴・告発したことに始まったこの福島原発刑事訴訟は、ようやく9月19日に東京地方裁判所にて判決が言い渡されます。
この人類史に残る大惨事を引き起こした者たちの責任をきちんと問えるのかどうか、司法の判断に注目です。


9月19日(木) 東京地裁104号法廷 13:15開廷
■ 11:00頃~11:15頃に地裁前行動を行います!
■ 13:15~13:45に判決発表の地裁前行動を行います。
■ 公判終了後に裁判報告会を行います。
     時間:閉廷後~16時(14時開場)    会場:弁護士会館 2階講堂 クレオBC
    (千代田区霞が関1-1-3 地下鉄丸ノ内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」B1-b出口直結)

東京地裁より、傍聴整理券の交付時刻が発表されました。
【交付開始】午前11時15分頃
【交付締切】午前11時45分

http://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=15
【裁判所名】東京地方裁判所 刑事第4部
【日時・場所】令和元年9月19日 午前11時45分 東京地方裁判所1番又は2番交付所
【事件名】業務上過失致死傷 平成28年刑(わ)第374号
【備考】[抽選] 当庁1番又は2番交付所において傍聴希望者に整理券を交付します。交付開始時刻は午前11時15分頃,交付締切時刻は午前11時45分です。 整理券受領にあたっては当庁正面入口前(東京メトロ霞ヶ関駅A1出口付近)から指定された場所に並んでください。開廷時刻は午後1時15分です。 なお,本事件については,傍聴人に対して,法廷前で当庁職員による所持品預かり及び所持品検査(ボディーチェックを含む。)を行います。


2019年9月7日土曜日

真実は隠せない―有罪判決を求める 東電刑事裁判 判決直前大集会

世界中を震撼させた福島第一原発事故は終わっていない。その刑事責任を問うため、全国の1万5千人が告訴・告発を行い、検察庁が不起訴とするも、市民からなる検察審査会が強制起訴を決めました。刑事裁判は約1年9か月37回にわたる公判をもって結審し、2019年9月19日に東京地方裁判所が判決を言い渡します。

真実は隠せない―有罪判決を求める 東電刑事裁判 判決直前大集会
日時:9月8日(日)14:00~16:30(13:30開場)
場所:文京区民センター 3-A会議室(文京区本郷4-15-14)

無料
    ・短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」上映
    ・弁護団からの話
    ・傍聴を続けたジャーナリストからの話
     木野龍逸さん 添田孝史さん
    ・福島の想い リレートーク
    ・歌「真実は隠せない」 長谷川光志さん


2019年8月28日水曜日

「判決前キャラバン」9/1スタート!

9月19日の判決に向けて、福島から電気の行く道をたどるように関東各県で街頭アピールを行います!お近くの方はぜひお集まりください!
 *街頭アピールは各地1時間程度の予定です

東電刑事裁判 判決前 キャラバン


9/1(日)福島県・栃木県
    13:30~14:00 出発式 郡山市労働福祉会館 第2会議室
    14:30~ 郡山駅西口
    16:30~ JR宇都宮駅西口
    17:45~ 東武宇都宮 東武デパート北口前

9/2(月) 群馬県

    17:00~ 高崎駅西口

9/3(火) 埼玉県

    11:00~ 所沢駅東口
    12:15~ 航空公園駅
    17:00~ 川越駅西口
    18:30~ 大宮駅西口

9/4(水) 茨城県

    12:00~ 水戸駅南口
    14:00~ 東海駅東口
    16:00~ 日立駅中央口

9/5(木) 千葉県

    11:00~ 松戸駅
    14:00~ 市川駅北口
    17:00~ 千葉駅東口

9/6(金) 東京都

    12:30~ 東京電力本店前
    14:00~ 新橋駅SL広場
    17:00~ 経産省前
    19:00~ 国会前金曜行動

9/7(土) 神奈川県

    14:00~ JR川崎駅東口
    17:00~ 横浜駅相鉄西口広場


2019年8月24日土曜日

【福島県内連続集会】8/30 会津

福島県内連続集会の最後は会津若松市で開催します!
9月19日、東電刑事裁判の判決言渡しへ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映や裁判の報告、判決に向けたアピールなどを行います。
ぜひご参加ください!

8月30日(金曜日)18:30~20:00
若松栄町教会(会津若松市西栄町8-36)



  他地域の集会日程
 8月25日(日)13:30~16:00 南相馬市 サンライフ南相馬 集会室
 8月27日(火)18:30~20:00 いわき市 いわき市文化センター 中会議室


2019年8月16日金曜日

【福島県内連続集会】8/27 いわき

福島県内連続集会の第7弾はいわき市文化センターで!
9月19日の判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映、判決に向けたアピールや、裁判の報告などを行います。
お近くの方、あるいは遠くからでも、ぜひご参加ください!

8月27日(火曜日)18:30~20:00
いわき市文化センター 中会議室



他地域の集会日程
 8月18日(日)10:00~11:30 郡山市 郡山市労働福祉会館 第3・第4会議室
 8月18日(日)13:00~14:00 三春町 ライスレイクの家 会議室
 8月25日(日)13:30~16:00 南相馬市 サンライフ南相馬 集会室
 8月30日(金)18:30~20:00 会津若松市 若松栄町教会

2019年8月15日木曜日

【福島県内連続集会】8/25 南相馬

福島県内連続集会の第6弾は南相馬です!
9月19日の判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映、判決に向けたアピールや、裁判の報告などを行います。
どうぞみなさまお集まりください!

8月25日(日曜日)13:30~16:00
原町生涯学習センター  サンライフ南相馬  集会室(南相馬市原町区小川町322-1)
協力:南相馬・避難20ミリシーベルト基準撤回訴訟原告団、「原発いらない」放射能から市民を守る会、ふくいち周辺環境放射線モニタリング・プロジェクト、原発事故被害者「相双の会」 、除去土壌の再生利用実証事業に反対する市民の会
  他地域の集会日程
 8月18日(日)10:00~11:30 郡山市 郡山市労働福祉会館 第3・第4会議室
 8月18日(日)13:00~14:00 三春町 ライスレイクの家 会議室
 8月25日(日)13:30~16:00 南相馬市 サンライフ南相馬 集会室
 8月27日(火)18:30~20:00 いわき市 いわき市文化センター 中会議室
 8月30日(金)18:30~20:00 会津若松市 若松栄町教会


9月8日は『真実は隠せない ~有罪判決を求める 東電刑事裁判 判決直前大集会』開催です!

2019年8月10日土曜日

【福島県内連続集会】8/18 郡山・三春

東京電力福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決が、9月19日に東京地裁で下されます。
被告人である東電元経営陣3名が、巨大津波を予見し、津波対策工事も計画していたのに、対策完了まで原発を止められることを恐れて、対策自体を握りつぶしました。
この大罪を司法がいかに判断するのか、世界から注目されています。

9月19日の判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映や判決に向けたアピールなどを行う福島県内連続集会を開催しています。

8月18日は、10時から郡山市労働福祉会館、13時から三春町ライスレイクの家で開催します!
お近くの方はぜひご参加ください。もちろん遠方からのご参加も歓迎です!

8月18日(日曜日)10:00~11:30
郡山市 労働福祉会館 第3・第4会議室

8月18日(日曜日)13:00~14:00
三春町 ライスレイクの家 会議室


 他地域の集会日程
 7月31日(水)14:00~15:30 福島市 アオウゼ 視聴覚室
 8月  7日(水)13:30~15:00 郡山市 アートステーション美しい村

 8月10日(土)10:00~11:00 須賀川市 銀河のほとり
 8月25日(日)13:30~16:00 南相馬市 サンライフ南相馬 集会室
 8月27日(火)18:30~20:00 いわき市 いわき市文化センター 中会議室
 8月30日(金)18:30~20:00 会津若松市 若松栄町教会

2019年8月5日月曜日

【福島県内連続集会】8/10須賀川 銀河のほとり

9月19日の判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映や判決に向けたアピールなどを行う福島県内連続集会第3弾です!
穀物菜食レストラン『銀河のほとり』での開催です!

○冷やしキューリ・お茶セット 300円
○ランチ・冷やしキューリ・お茶のセット 1000円(要予約)

のどちらかをお選びください。ランチは要予約です。
お近くの方はぜひご参加ください。もちろん遠方からのご参加も歓迎です!

8月10日(土曜日)10:00~11:00
銀河のほとり(須賀川市滑川字東町327-1)
*ランチご希望の方は前日までにご予約ください hotorinoarima(アットマーク)yahoo.co.jp
 

 他地域の集会日程
 7月31日(水)14:00~15:30 福島市 アオウゼ 視聴覚室
 8月  7日(水)13:30~15:00 郡山市 アートステーション美しい村

 8月18日(日)10:00~11:30 郡山市 郡山市労働福祉会館 第3・第4会議室
 8月18日(日)13:00~14:00 三春町 ライスレイクの家 会議室
 8月25日(日)13:30~16:00 南相馬市 サンライフ南相馬 集会室
 8月27日(火)18:30~20:00 いわき市 いわき市文化センター 中会議室
 8月30日(金)18:30~20:00 会津若松市 若松栄町教会
 

2019年8月1日木曜日

【福島県内連続集会】8/7 郡山 美しい村

東京電力福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決が、9月19日に東京地裁で下されます。
被告人である東電元経営陣3名が、巨大津波を予見し、津波対策工事も計画していたのに、対策完了まで原発を止められることを恐れて、対策自体を握りつぶしました。
この大罪を司法がいかに判断するのか、世界から注目されています。

福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団は、判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映や判決に向けたアピールなどの集会を、福島県内各地で開催します。
お近くの方はぜひご参加ください。もちろん遠方からのご参加も歓迎です!

8月7日(水曜日)13:30~15:00
郡山市 アートステーション美しい村
お問合せ 024-923-6719

2019年7月20日土曜日

9・19東電刑事裁判 有罪判決を求める! 福島県内連続集会

東京電力福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決が、9月19日に東京地裁で下されます。
被告人である東電元経営陣3名が、巨大津波を予見し、津波対策工事も計画していたのに、対策完了まで原発を止められることを恐れて、対策自体を握りつぶしました。
この大罪を司法がいかに判断するのか、世界から注目されています。

福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団は、判決の日へ向けて、短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の上映や判決に向けたアピールなどの集会を、福島県内各地で開催します。
お近くの方はぜひご参加ください。もちろん遠方からのご参加も歓迎です!

9・19東電刑事裁判 有罪判決を求める! 福島県内連続集会
○内容
 ・短編映画 『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 の上映(26分)
 ・9月19日東電刑事裁判判決に向けたアピール(支援団長・告訴団長)
 ・各地の報告、決意表明など

○日程
 7月31日(水)14:00~15:30  福島市   アオウゼ 視聴覚室
 8月  7日(水)13:30~15:00  郡山市   アートステーション美しい村(予定)
 8月10日(土)10:00~11:00  須賀川市  穀物菜食レストラン 銀河のほとり
 8月18日(日)10:00~11:30  郡山市   郡山市労働福祉会館 第3・第4会議室
 8月18日(日)13:00~14:00  三春町   ライスレイクの家 会議室
 8月25日(日)13:30~16:00  南相馬市  サンライフ南相馬 集会室
 8月27日(火)18:30~20:00  いわき市   いわき市文化センター 中会議室
 8月30日(金)18:30~20:00  会津若松市 若松栄町教会

判決言い渡し
2019年9月19日(木) 東京地裁104号法廷 13:15開廷
 (傍聴抽選時刻は裁判所HPでご確認ください)
11時頃~12時頃の間に地裁前行動を行います!
・裁判終了後に報告会を開催します!
 時間:裁判終了30分後をめどに開始 場所:未定(参議院議員会館を予定)

*河合弘之監督短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 YouTubeで公開中です!
ぜひ拡散をお願いします!


2019年7月12日金曜日

短編映画 「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」

映画「日本と原発」河合弘之監督のKプロジェクトが、新たに短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」を公開!
東電経営陣の罪が問われる9月19日の判決前にぜひご覧ください!

判決、9月19日に東京地裁104号法廷で、13:15開廷の期日にて言い渡されます。
(傍聴抽選時刻は裁判所HPでご確認ください)



2019年9月19日。
福島第一原発事故の刑事裁判の判決が下されます。
被告人である東電元役員3名が事故の原因である巨大津波を予見し、津波対策工事を計画していながら、経営悪化を恐れて対策自体を握りつぶした大罪を司法は、いかに判断するのか?

闇に葬られかけた津波対策計画の動かぬ証拠の数々を解析!
いかなる経緯で対策が握りつぶされたのかを描破!!
全国民、判決の日へ向けて必見の26分間!!!

監督:河合弘之弁護士
制作:Kプロジェクト http://www.nihontogenpatsu.com/

2019年5月19日日曜日

厳正判決を求める北海道民集会

福島第一原発で最初の爆発が起きてから丸8年となる2019年3月12日に、東電刑事裁判は結審しました。
最終弁論で「被告人らは無罪」と東電元役員らの弁護人は主張しました。

津波対策を怠り事故を防げなかった罪を問われた3被告も異口同音に「付け加えることはございません」と述べ、謝罪の弁はありませんでした。

判決は9月19日に言い渡されます。

刑事公判で明らかになった事実を多くの方に知っていただき、有罪判決を勝ち取るための「厳正判決を求める北海道民集会」を開催致します。
ぜひ、ご参加いただければと思います。

厳正判決を求める 北海道集会 
5月27日(月)18:30〜20:30
札幌市 かでる2・7 「520研修室」
    (札幌市中央区北2条西7丁目 道民活動センタービル)
内容…
    *海渡雄一弁護士の講演(被害者代理弁護団)
    *被害者遺族の証言読み上げ
    など


2019年4月26日金曜日

「厳正な判決を求める署名」提出!

2017年12月から始まった「東京電力福島原発刑事訴訟 厳正な判決を求める署名」は、裁判と並行して計20回の提出におよび、4月24日の提出で総計50,984筆となりました。

これほどの被害を引き起こし、未だその傷跡を残すどころか広がり続けているこの原発事故の責任を、しっかり追及すべきだという全国の市民の声が、東京地裁永渕健一裁判長に届けられました。

判決は9月19日に下されます。

日本の司法が、 国策として進められ続けている原発政策に忖度することなく、独立の気概を持った判断ができるかもまた試されています。

2019年4月18日木曜日

検察調書が明らかにした新事実

東電原発事故の真実を伝えるサイト「Level7(原発報道・検証室)」で、添田孝史さんによる新記事「検察調書が明らかにした新事実」が公開されています。


福島原発告訴団の告訴・告発により、東電社員や原子力安全・保安院の職員らが検察に供述した調書が、東電株主代表訴訟の裁判の中で証拠として採用されています。
それをもとに添田さんが6つの項目を取り上げました。

・保安院室長が「政府事故調に嘘ついた」と告白
・東電、東北電力の津波報告書を書き換えさせる
・東電、日本原電の津波報告書にも圧力
・保安院も東電の「貞観隠し」に加担
・バックチェックの短縮、保安院首脳が指示
・溢水勉強会の詳細判明

事故調や公判でも明らかになっていない事実が含まれる衝撃的な内容です。
ぜひご覧ください!
Level7
「検察調書が明らかにした新事実」









東電株主代表訴訟では、勝俣、武藤、武黒を被告として取締役の責任追及をしています。その裁判の中で、刑事裁判の記録を取り寄せ、書証として提出しています。以下のリンクから「証拠説明書」をご覧いただくと、どのような書証が提出されたのか分かります。

東電株主代表訴訟ブログ
大竹裁判長、交代へ&提出書面
本日提出(陳述)書面等

2019年3月25日月曜日

「厳正判決を求める福島県集会」 開催します!

福島第一原発で最初の水素爆発が起きてから丸8年となる2019年3月12日に、東電刑事裁判は結審しました。
最終弁論で「3人は無罪」と主張する東電側弁護士。津波対策を怠り事故を防げなかった罪を問われた3被告人も異口同音に「付け加えることはございません」と述べ、謝罪の弁はありませんでした。
 判決は9月19日に言い渡されます。そこで有罪判決を勝ち取るために県民集会を催します。この裁判の流れや遺族の証言を、どうぞその目その耳でご確認ください。

厳正判決を求める福島県集会
4月21日(日)14:00〜16:30
郡山市労働福祉会館3階大ホール (福島県郡山市虎丸町7番7号)

    内容…
    弁護士からのお話し(被害者代理弁護団)
    被害者遺族の証言 読みあげ
    原発事故9年目の思い リレートーク
    オリジナルソング「真実は隠せない!」合唱

判決・・・9月19日(木) 13:15〜 東京地方裁判所104号法廷

https://drive.google.com/file/d/1BnoEV8laUERRiOLpnG8q0LqBd_Ii-HX6/view?usp=sharing
 

2019年3月15日金曜日

刑事裁判傍聴記:第37回公判(添田孝史)

爆発からちょうど8年目の結審。語らなかった勝俣元会長ら


 2019年3月12日、東京地裁で第37回公判が開かれた。ちょうど8年前、東京電力が福島第一原発1号機を爆発させた日でもある。
 被告人側の最終弁論があり、この日で結審した。永渕健一裁判長は、判決を半年後の9月19日に言い渡すと述べた。

 公判の最後に、被告人3人はひとりずつ証言台に立って意見陳述をした。

勝俣恒久・元会長(78)
「申し上げることはお話しました。付け加えることはございません」

武黒一郎・元副社長(72)
「特に付け加えることはありません」

武藤栄・元副社長(68)
「この法廷でお話ししたことに、特に付け加えることはありません」

 膨大な量の放射性物質を発電所の外に撒き散らし、今も山手線の内側の6倍の面積に人は住めない。何万人もの人たちは8年たっても故郷に戻ることができない。民間のシンクタンクは、後始末に最大81兆円かかると予測する(*1)。そんな史上最大の公害事件を引き起こした被告人たちの最後の発言としては、あまりに素っ気なかった。

被告人らが法廷から出る間際、傍聴席からは

「勝俣、責任とれ」
「恥を知りなさい」

と怒号が飛んだ。

「東側から全面的に遡上する津波」は予見できなかった?

   この日の主役は、武藤氏の弁護人、宮村啓太弁護士だった。午前10時から午後4時ごろまで、パワーポイントも使いながら最終弁論を読み上げ続けた。

 宮村弁護士が力を入れて主張したのは、次の点だ。政府の地震本部が2002年に予測した津波地震の津波(長期評価による津波)は、敷地南で津波高さが最も高くなる。一方、311の津波は東側から全面的に津波が遡上した。津波の様子が異なるので、長期評価の予測に対応していたとしても事故は防げなかったというのだ。

 具体的には、長期評価による津波の高さが敷地(10m)を超えるのは敷地南側など一部だけなので、対策は、そこだけに局所的に防潮堤を作ることになったはずだという(図1)。一方、311の時は敷地東側から全面的に津波が遡上したので、その防潮壁で事故は防げないという理屈である。
図1_敷地の一部だけに設置する防潮壁


 しかし、宮村弁護士の主張は、刑事裁判の中で明らかにされてきたいくつもの証拠と矛盾している。

 津波の発生場所が変われば、それによって敷地のどこに高い津波が集中するかも変わってくる。一部だけに高い防潮堤を作ることは工学的に不自然で、保安院の審査は通りにくい。

 たとえば2008年には、長期評価とは異なる位置で発生する津波が、東電社内で大きな問題になっていた。「敷地一部だけに防潮壁を作る」では通用しないことは、東電には、すでにわかっていたはずである。

 それは貞観地震(869)による津波だ。貞観地震は、津波地震より陸側で発生し、大きな津波を福島第一原発周辺にもたらしていた証拠が2000年代後半に続々と見つかっていた。

 地震の大きさは起きるたびにばらつくので、対津波設計では、869年に実際に発生したもの(既往最大)より2割から3割程度余裕を持たせて想定することを、土木学会が定めていた。それに従えば、貞観地震の再来を想定すると、1号機から4号機の東側から全面的に敷地を超えてしまうことがわかっていた(グラフ)(*2)

グラフ_各号機前面で予測された津波高さ

 東電にとっては、さらに都合の悪いことがあった。東北電力は、耐震バックチェックの報告書に貞観地震も取り入れ、2008年11月にはすでに完成させていたのだ(図2)。それが保安院に提出され、「では東電は貞観津波に耐えられるのか」と問われると、10mの敷地を超えて炉心溶融を起こすことが露見してしまう。

図2_東北電力がバックチェック報告書に入れていた貞観津波の波源域

 東電は、2008年10月から11月にかけて、繰り返し、しつこく東北電力と交渉して、その報告書の記述を自社に都合の良いように書き換えさせた。その記録も刑事裁判は明らかにしている。

 宮村弁護士の主張は、被告人らに都合の悪い証拠には全く触れず、反論もできていない。東電の主張する「東側から全面的に遡上する津波は予見できなかった」というのは、真っ赤な嘘なのである。

 東側から全面的に遡上する津波がすでに予測されていたからこそ、それを消し去ろうと、東北電力の報告書まで書き換えさせていたのだ。

土木学会手法の位置付け

   宮村弁護士は、「長期評価をとりこむかどうか、土木学会で審議してもらうのは適正な手順である」「合理的だ」という従来の主張も繰り返した。

 これにしても、なぜ合理的なのか、説得力のある根拠は示されなかった。すでに述べたように東北電力は、土木学会の審議を経ることなく、貞観地震を想定に取り入れ、2008年11月にはバックチェック報告書を完成させていた。日本原電東海第二発電所も、土木学会の審議を経ることなく、地震本部の予測を取り入れて2008年以降、津波対策を進めていた。

 「土木学会の審議を待つ」としたのは、東電だけだったのだ。それがなぜ合理的で、他の会社は不合理なのか、宮村弁護士の説明からはわからなかった。

 指定弁護士は「土木学会に検討を委ねるという武藤被告人の指示は、津波対策を行うことを回避するための方便に他なりませんでした」と昨年12月26日の論告で厳しく指摘している。宮村弁護士は、「土木学会に委ねるのは決して誤りではない」と繰り返したが、指定弁護士の論告に十分答えられていないように見えた。

山下調書を巡る批判

   東電社内での意思決定過程については、第24回公判で読み上げられた山下和彦・新潟県中越沖地震対策センター所長の調書が詳しかった。ところがこの内容について、宮村弁護士をはじめ、武黒一郎氏や勝俣恒久氏の弁護士は、口をそろえて「信用できない」批判した。

 山下調書では
    地震本部が予測した津波への対策を進めることは、2008年2月から3月にかけて、東電経営陣も了承していた。「常務会で了承されていた」と山下氏は述べていた。
    いったんは全社的に進めようとしていた津波対策を先送りしたのは、当初は7.7m程度と予測されていた段階のことだった。それが15.7mという予測値が出されてから、対策がとても難しくなった。対策に着手しようとすれば福島第一原発を何年も停止することを求められる可能性があり、停止による経済的な損失が莫大になるから先送りが決められた。
と述べられてる。

 山下調書を裏付ける社内の電子メールや会合議事録などが多く存在する。それにもかかわらず、被告人側の弁護士は、自分たちの主張と矛盾するそれらの証拠については無視し、説明しないままだった。

指定弁護士コメント、記者会見

   最終弁論について、被害者参加制度による遺族の代理人である海渡雄一弁護士は「ひと言で言えば、自分に都合の悪い証拠は全部無視して見ないことにし、都合の良い証拠と証言だけを抜き出して論じたものだといえる。そして、その内容はこれまでの公判をみてきた者には到底納得できない荒唐無稽なものである」としている(*3)

 指定弁護士は、以下のような声明を発表した(*4)
「弁護人の主張は、要するに東側正面から本件津波が襲来することを予見できず、仮に東電設計の試算結果に基づいて津波対策を講じていたからといって、本件事故は、防ぐことはできなかったのだから、被告人らには、本件事故に関して何らの責任はないという点につきています。
何らかの措置を講じていればともかく、何もしないで、このような弁解をすること自体、原子力発電所といういったん事故が起きれば甚大な被害が発生する危険を内包する施設の運転・保全を行う電気事業者の最高経営層に属する者として、あるまじき態度と言うほかありません」

 公判で明らかにされた多くの証拠や証言をどう考えるのか説明せず、「予見は未成熟だった、信頼性がなかった」という冒頭陳述と同じ主張を繰り返すだけで被告人らは逃げ切ろうとしている。そのありさまを、東京地裁はどのように判断するのだろうか。
______________

*1 事故処理費用、40年間に35兆〜80兆円に 日本経済研究センター
https://www.jcer.or.jp/policy-proposals/2019037.html

*2 福島第一・第二原子力発電所の津波評価について 2011年3月7日 東京電力
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9483636/www.nsr.go.jp/archive/nisa/disclosure/kaijiseikyu/files/44-1.pdf

*3 海渡雄一弁護士の反論
https://shien-dan.org/20190312-kaido/

*4 指定弁護士の声明
https://shien-dan.org/20190313-statement/
______________
添田 孝史 (そえだ たかし)
サイエンスライター、元国会事故調協力調査員
著書に 『原発と大津波 警告を葬った人々』、『東電原発裁判―福島原発事故の責任を問う
(ともに岩波新書)

添田さんの公判傍聴記一覧

2019年3月13日水曜日

弁護人の弁論に対する指定弁護士と海渡弁護士の反論

3月12日の第37回公判では、被告人弁護人による最終弁論が行われました。
最終弁論は、まず武藤栄被告人の弁護人である宮村弁護士が3被告人共通の主張を述べ、その後、各被告人ごとの弁論がされました。

その3人共通の主張に対し、指定弁護士が反論の声明を発表しました。
また、海渡弁護士も、反論の論考を発表しました


弁護人の弁論に対する指定弁護士の見解
2019年3月12日

    弁護人の主張は、要するに東側正面から本件津波が襲来することを予見できず、仮に東電設計の試算結果に基づいて津波対策を講じていたからといって、本件事故は、防ぐことはできなかったのだから、被告人らには、本件事故に関して何らの責任はないという点につきています。

    しかし、被告人らは、東電設計の計算結果があるにもかかわらず、これに対して何らの措置も講じていません。土木学会に検討を委ねたといいながら、その後、何らの関心すら注いでいません。何らかの措置を講じていればともかく、何もしないで、このような弁解をすること自体、原子力発電所といういったん事故が起きれば甚大な被害が発生する危険を内包する施設の運転・保全を行う電気事業者の最高経営層に属する者として、あるまじき態度と言うほかありません。

    弁護人は、「長年にわたって積み重ねられてきた判例学説によって画される犯罪の成立範囲の外延を踏まえ」ると、「業務上過失致死傷罪が成立しない」と主張していますが、本件のような原子力発電所事故に適用される「犯罪の成立範囲の外延」とは何かということが、まさしく問われているのです。


福島原発刑事裁判 弁護人ら弁論共通主張に対する反論
福島原発告訴団弁護団 弁護士 海渡雄一
こちらをクリック(PDF)

判決は9月19日!

2017年6月の初公判から始まった東電刑事裁判は、3月12日の第37回公判期日をもって結審しました。
法廷で最後に永渕健一裁判長が、判決の言い渡しを9月19日に行うと述べました。

2012年6月の告訴から始まり、2015年7月の強制起訴議決を経て、2017年6月の初公判から37回の公判期日。原発事故の責任を問うたたかいに、ひとつの結果が示されます。

この理不尽な被害を一方的に与えた人災に対し、この国の司法が、社会が、きちんと責任を取らせる判断をすることを期待し、判決の日を待ちます。

判決日 2019年9月19日(木)
東京地裁 13:15開廷
 (傍聴抽選時刻は裁判所HPでご確認ください)

なお、「厳正な判決を求める署名」は、3月12日に7,677筆を東京地裁に提出し、累計は45,824筆 となりました。
署名は4月20日まで集めます。どうぞご協力をお願いいたします。

2019年3月3日日曜日

3月13日の公判期日が取り消しとなりました!

東京地方裁判所は、3月13日に予定されていた第38回公判期日の指定を取消しました。
そのため、被告人弁護人の最終弁論は12日のみとなり、同日に結審となります。
裁判傍聴を予定されていた方は、日程にご注意ください!

公判予定
3月12日(火) 第37回公判期日(結審) 
東京地裁104号法廷 開廷10:00
*傍聴整理券配布時間は、裁判所HPの傍聴券交付情報でご確認ください。
公判併行集会
 時間…11:00~16:00頃 公判終了後に同じ会場で公判報告会を開催します。
 会場…参議院議員会館 講堂
 講演…井戸謙一弁護士「司法と原発―刑事裁判の意義」(14:00~16:00)

2019年2月27日水曜日

3.10 厳正判決を求める全国集会!

東電旧経営陣の罪を問う刑事裁判も36回の公判を経て、指定弁護士は被告人3人に対し、禁錮5年を求刑しました。
残るは弁護側の最終弁論のみとなり、いよいよ結審となります。
この歴史的な公害犯罪に対し、裁判所が厳正な判決を下すよう求めて、「 厳正判決を求める全国集会」を開催します!
多くの方のご参加をお待ちしています!

3月10日日)
厳正判決を求める全国集会

時間…14:00~16:30(開場13:30)
場所…専修大学神田キャンパス7号館(大学院棟)3階731教室
   (東京都千代田区神田神保町3-8)
   地下鉄神保町駅より徒歩3分
内容…刑事裁判の報告、原発事故被害の報告

https://drive.google.com/file/d/1D4FpkCKXM8VqhtAP8S836Ck5o9cDxkTv/view?usp=sharing

土井敏邦監督映画『福島は語る』劇場公開!

原発事故から8年を迎えるにあたり、ドキュメンタリー映画『福島は語る』が、3月2日から全国各地で上映されます。
監督は、パレスチナのドキュメンタリー作品などで有名な土井敏邦さんです。

この映画は、2014年3月に福島原発告訴団が開催した「被害者証言集会」で、原発被害者が自ら語る切実な心情を土井監督が聞いたことをきっかけとして制作されました。

劇場版は2時間50分(全章版は5時間30分)という長編映画ながら、ひとりひとりの切実な語りに、時間を感じさせないほど引き込まれる作品です。

「“福島の声”を、忘却しつつある日本社会に届けたい」と、土井監督が苦心のすえ作り上げたドキュメンタリー。ぜひ多くの方に受け取ってもらいたいと思います!


作品紹介・上映日程はこちら↓
土井敏邦 証言ドキュメンタリー『福島は語る』公式サイト 
http://www.doi-toshikuni.net/j/fukushima/
http://www.doi-toshikuni.net/j/fukushima/img/fukushima%20wa%20kataru_AB.pdf

 

2019年2月8日金曜日

ふくしま連続報告会が終了しました!

1月13日のいわき市報告会を皮切りに、県内各地で東電刑事裁判報告会を開催しました。
結審を前に多くの方に、裁判で明らかになったことや、この事故の犯罪性が伝わったのではないかと思います。
参加された方からは、「裁判の内容が分かった」「有罪は明らかだと思う」「被告人は無責任だ」などの感想がありました。
まだまだこの裁判のことを、もっと多くの方に広めたいと思います。小さな集まりでも構いませんので、報告会を開催してみよう思った方はぜひご連絡ください!


いわき市報告会(2019.1.13) 海渡弁護士資料(パワーポイント・4MB)
いわき市報告会(2019.1.13) 海渡弁護士資料

https://drive.google.com/file/d/1TM4GQWzKwm0354IYpNzALOPEyfLSFrJU/view?usp=sharing


2019年1月29日火曜日

全国各地で一斉署名を行いました!

1月27日(日)に、「厳正な判決を求める署名」の全国一斉署名行動を行いました。
福島県内は、いわき市、郡山市、福島市で、いずれも寒風の吹きすさぶ中、街頭に出て元気に道行く人々に署名を呼びかけました。県外では、東京都の有楽町、小金井市、江戸川区や、京都府の四条河原交差点などで行いました。
寒い中でしたが、皆さんから熱い心意気が伝わってくる報告が上がっています。ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。
福島では、テレビの放映や新聞の掲載もありました。
現在、約4万筆の署名を、東京地裁の永渕健一裁判長宛に提出しています。3月の結審までに、さらに多くの署名を集め、提出していきます。
皆さま、是非更なるご協力をよろしくお願い致します。

2019年1月15日火曜日

一斉署名を呼びかけます!


東京電力福島原発刑事訴訟「厳正な判決を求める署名」
一斉署名行動の呼びかけ

福島原発事故に対する東電元経営陣の責任を問う刑事裁判は、2017年6月30日の初公判以来36回が開かれ、20181226日に論告・求刑、27日に被害者代理人の意見陳述が行われました。今年の3月12日・13日には元経営陣の弁護士による最終弁論が行われ、結審となる予定です。
 私たちは公判の度に、東京地裁の永渕健一裁判長へ「厳正な判決を求める署名」を届け、現在まで約4万筆を数えました。全国の皆さまから沢山の署名が次々と届き、本当に嬉しく思います。ご協力ありがとうございます。
 私たちは、さらに多くの署名を集め、結審の日まで裁判所に届けたいと考えています。
 一人でも多くの方にこの裁判を知って頂き、厳正な判決を求める声を裁判所に伝えるために、1月27日(日)に福島県内3か所(いわき市、郡山市、福島市)で、13:00より一斉街頭署名を行います。
 寒い折りではありますが、願わくば全国でも街頭署名に取り組んで頂けますよう呼びかけます。どうかよろしくお願い申し上げます。

福島原発刑事訴訟支援団
福島原発告訴団
A3プラカード
A5チラシ(両面)