2013年4月30日火曜日

4.26福島地検前行動、4.27第2回総会

福島地検前行動+第2回総会

■福島地検前行動
4月26日(チェルノブイリ事故から27年目)に、福島原発告訴団は、雨が降りしきる中、福島地方検察庁へ向かいました。この日、提出した署名は1224名分、ここまでの署名総数は10万8333名となりました。全国から、「東京電力を強制捜査せよ! 勝俣を起訴せよ! 保安院を起訴せよ! 山下を起訴せよ!」の願いが、署名にこめられて届けられました。
「私たちは、強制捜査、起訴されるまで、何度でも来ます。諦めるわけにはいきません」のシュプレヒコールが、福島地検前に響きました。

翌27日は、第2回福島原発告訴団総会が、郡山労働福祉会館で開催されました。
開会に先立ち「私は告訴人です」というDVD上映が上映され、挨拶に立った武藤類子団長は、以下のように述べました。


福島原発告訴団が結成されて、1年がたちました。皆さんの力で、告訴・告発人が、14,716人。1月から始めた『厳正な捜査と起訴を求める緊急署名』は、昨日の提出で108,333筆でした。全国の皆さんとのこのつながりをほんとうにうれしく思います。この場をお借りして、お礼を申し上げます。ありがとうございます。

さて、福島原発事故から2年が経ちました。しかし、福島の情況は、さらに過酷であります。止まらない放射能の放出、貯まり続ける汚染水、深刻な労働者被曝、持っていくところがない除染による放射性廃棄物、被曝地に住まざるを得ない人々、子どもたちの甲状腺ののう胞や結節や癌、進まない正当な賠償、支援策の外に置かれる自主避難者、引きさかれる人々のつながり…原発事故が引き起こした被害の膨大さに、私たちは、立ちつくすばかりです。
このままでは、被害者が救われることも、二度と同じあやまちをくりかえさないことも、新しい価値観の世界を創ることもできないのです。
そのような意味でも、この告訴は、とても意義深いと思うのです。
今日は、結成から1年の節目の大切な総会です。この1年。それぞれがどれ程良くがんばってきたかを讃え合い、明日からの新しい一歩を更に進める時間としたいと思います。


■第2回総会開催
 議事では、「1号議案 事業報告」「2号議案 会計報告」「3号議案 事業計画案」「4号議案 予算案」について、『ファイティングスピリット』に溢れる議論が行われ、告訴以後の活動に『厳正な捜査、起訴による真相解明と責任の所在を明らかにすること』を目的と活動に加える「5号議案 会則改正」が議決されました。

■決議文
私たちは2012年3月16日、福島原発告訴団を結成し、活動を進めてきました。この1年間、明らかになったことは、子どもたちの健康被害、除染の行き詰まり、原発労働者の使い捨てであり、ネズミが原因の停電による原子炉冷却の停止や汚染水漏れ事故など、収束作業が今なお薄氷の上に立っているという事実です。事態は好転どころかますます悪化しており、根本的解決が求められているにもかかわらず、政治は経済優先の風潮の中で福島原発事故を風化させ、原発再稼働や輸出への動きを強めています。事故から2年経った今なお16万人が故郷を思いながら帰ることができないでいます。
巨大な事故を引き起こした政府や企業が何の責任も問われなければ、法治国家としての土台は崩れ去り、日本社会の信頼は損なわれます。責任ある日本社会を構築するためには、企業犯罪が正しく追及されることが必要です。また、加害者がみずからそのことを自覚し、進んで真実を明らかにするとともに、刑罰に服するのは当然のことです。
この1年、私たちは、第1次・第2次告訴を行い、適正捜査・起訴を求める署名提出など、被告訴人の刑事責任がきちんと問われるよう、あらゆる行動を続けてきました。今後もよりいっそう責任追及への取り組みを強化しなければなりません。
私たちの目標は、政府が弱者を守らず切り捨てていくあり方そのものを根源から問うこと、人間をはじめあらゆる生物・環境に被害を与えた者が正しく責任を追及される新しい日本社会を作り出すことになります。そのために私たちは、政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯していきたいと思います。
この国に生きるひとりひとりが尊敬され、大切にされる新しい価値観を若い人々や子どもたちに残せるように、手を取り合い、立ち向かっていきましょう。
                                      2013.4.27
                                        福島原発告訴団総会参加者一同


総会後の集会では、「われらゆるがず」の合唱ののち、保田弁護士からの報告と満田夏花さん講演が行われました。

■保田弁護士からの報告の概要
今様々な民事賠償の動きがあるが、やはり今回の原発事故の真相を明らかにして、きちんと責任を果たさせる。きわめて大事な位置にある。昨年の取り組み、福島を中心に第1次告訴を成功させ、全国で第2次。これまでにないこと。検察庁に受理させていくということでは大変大きな成果。業務上過失致死傷罪。経営陣を中心として、原子力安全保安員、安全医院か、原子力保安委員会などを推進してきた人たち。これについて、それぞれの罪名は、業務上過失致死傷罪。津波対策を怠ったことに焦点を絞っている。津波対策は原発事故の原因について、いろんなことが未解明。電源喪失→メルトダウン→放射能の放出につながった。明白に指摘をしている。このかん、年度末に結論を出すのではないか。検察庁の方に、3回に渡って上申書を提出。1月15日。検察庁に上申書を出した。津波についての予見可能性は、事故前に十分に指摘されていたことを内容としている。

2002年に津波防災を進めていれば、全電源喪失を免れるということを指摘する。
全電源喪失に至らなかった、と指摘している。刑事事件として、国の罪を問う。それは、明白でなければならない。国会事故調を含めて、学者が当然考える見解。予見可能性はきわめて明白。
2月22日にもう一度上申書を提出。東京地検、福島地検に。年度末にも結論を出すのでは?現状からすれば、強制捜査をしていないので、不起訴処分になるのでは?地検の検察官に面談した。

→ポイントは、地検は、福島事故の被害の深刻さに正面から向き合い、ありとあらゆる捜査をとげるべき。それには、原発の事故現場に入り、検察がきちんと検証すべき。原発の耐震性、耐津波性を精査すべき。東電についても、保安員についても安全委員会についても、事故調にも提出された形跡はない。強制捜査を抜きに、必要な証拠を得ることはできない。
事故が起こるたびに、株主総会において、株主運動が提起してきた。株主総会のたびに提起してきている。地震や津波について、どの部署がどのように検討したか、決定したか。ちゃんと事故は起こらないという答弁をしている。
反原発運動の要請に対して東京電力は意志決定をして、回答をしている。部内でどのように検討して、回答したのかを明らかにすべきと申し入れをした。

スマトラ島沖インドの原発が電源喪失。→その事故をどのように東電が検討したか。それを明らかにすべき。

子どもの甲状腺ガンと事故との因果関係。将来、大きな健康被害につながることは予想される。ちゃんと捜査をしないと大変罪深い。ということを指摘。

さらに、3月13日、署名と提出とともに、東京地検、福島地検に提出。原発に関する東京電力の株主運動から資料をいただき、まとめた。株主運動は、中越沖地震に伴う事故。浜岡の廃炉の時に明確な質問をしている。東電は、きわめて明確に、常務は「津波について巨大な津波がくる」という指摘に対し、「設計上、それで影響はない」と回答している。

検察庁、未だ結論は出ていない。検察庁のきちんとした捜査、強制捜査なしに、結論が出されることはとうてい容認できない。今後も活動を強めないといけない。
いくつか考えてる。
・津波対策の不備。この時期にこの東京電力の原子力について決めてきた人たちに明らかに過失がある。特に勝俣氏、武黒氏、武藤氏、吉田氏。この人たちの責任は明白。
松永氏、・・・などの責任は明白。その責任を追求し、強制捜査を求めていく。
強制捜査をやらせるためには、具体的な過失を明らかにするとともに、国会が終わる頃、参院選挙の前が焦点。東京地検、福島地検への集中的な取り組みを強化する時期にある。
 本当に、検察庁が、将来に与える影響を考えて、安易な捜査を許さないために、強制捜査・起訴を求めていきたい。弁護団3人体制、きわめて協力的。みなさんと一緒に、代理人の立場として、活動を強めていきたい。

■武藤類子団長の閉会のあいさつ
私たちが向かう方向がはっきりした。
一人ひとりが告訴団の大切な一員であることを確認した。201人が集まってくださった。
5月31日、日比谷野音に、一人ひとりが10人誘ってほしい。東京地検に訴えます。
孤立しているのではなく、たくさんの方が見つめてくださっている。
何度でも約束したいことがある。
これ以上、ばらばらにされない。
これ以上、尊厳を奪われない。
これ以上、つないだ手を離さない。