2014年10月24日金曜日

【速報】捜査期間延長をうけて団長コメント


東京地検が捜査期間を延長したことは、私たちにとって歓迎すべきことです。
地検がより詳しい捜査を尽くしてくれると信じます。
そのうえで、事故の責任を負うべき四人を起訴し、司法の場で真実を明らかにし、責任を追及して欲しいと思います。

事故の被害者はみんなそれを望んでいます。


福島原発告訴団団長武藤類子

【速報】捜査期間延長を受けて弁護団コメント

2014年10月24日

福島原発告訴団弁護団コメント

                                                       弁護士 河合弘之
                            弁護士 保田行雄
                            弁護士 海渡雄一

1 捜査期間延長を歓迎する                          
 本日 東京地検は、福島原発事故に関する東京電力役員に対する刑事責任について、来年2月2日まで捜査期間を延長すると発表した。
 告訴人らは、検察官は、十分な捜査を行うために検察審査会法41条の2 第2項に基づき、再捜査の期間について延長を必要とする期間(3ヶ月が適当であると思料する)とその理由を通知するよう求めていた。
 今回の決定は、十分な時間を掛けて再捜査してほしいという告訴人らの意向に沿うものであり、歓迎する。

2 被疑者武藤、武黒は、大きな津波の可能性を知り、対策を検討しつつ、これを土木学会に投げて、先送りした
 東京電力役員らは、推本の予測に基づいて行った数々の津波の試算についても試算が現実に起きるとは思わなかった,念のために土木学会に検討を依頼しただけであるなどと言い訳している。東京地検は、先の不起訴決定では、このような不合理きわまりないいいわけをそのまま認めてしまった。
 これに対して,検察審査会は,市民的良識を発揮し,東電の役員たちは,対策が必要であることはわかっていて,途中まではその検討や予算の見積もり、準備までしたのに,改良工事のために原発が長期停止になることをおそれ,時間稼ぎのために土木学会に検討を依頼して,問題の先送りをしたと認定している。
 まさに,被疑者武藤と武黒は明らかに本件事故のような深刻な災害を予見し,その回避のために必要な対策についても具体的に検討しながら,その対策に要するコストと時間,そして一定期間の運転休止を見込まなければならないという事態のなかで,問題を先送りするために土木学会に検討を委ねたのであり、勝俣、小森もこれを承認した重大な責任がある。

3 土木学会への検討依頼の真相を検察は徹底して再捜査すべき
 土木学会に検討を依頼したというが,それについては,①回答期限を付したのか,②検討依頼内容は何か,③検討依頼文書は有するのか,④回答は返ってきたのか,⑤その内容はどうだったのかが究明されなければならない。回答期限も定めない依頼だとすればまさに時間稼ぎということになろう。②ないし⑤の究明結果によって時間稼ぎであったことが立証される可能性は高い。検察の再捜査では、この点の解明が最重要の課題である。

4 勝俣の言い訳はうそだったことが吉田調書で裏付けられた
 当時,「中越沖地震対策会議」が社長,会長,武藤,武黒,吉田らで話し合う会議が持たれていた。当時の会長は田村,社長は本件被疑者勝俣である。最初は毎日会議が持たれていた。平成20年頃には月1回の会議であった。この中で,津波対策の費用も議論されていた(平成23年11月6日付「吉田調書」9~12頁)。
 また吉田調書によれば,「太平洋側の場合は,いろんな学説が今,出ておって,大きい津波が来るという学説もあります。それをベースに計算すると,今,想定している津波高の,…要するに,今,想定している5m何十cmという設計のベースよりも大きい津波が来る可能性が否定できない。…場合によっては高い津波が来れば,それなりの対策が必要です。…かなり桁の大きいお金が来ますよということを説明した」(平成23年11月30日付「吉田調書」17頁),「会長の勝俣さんは,そうなのか,それは確率はどうなんだと」(同19頁),「貞観地震というのは,私はたしかその後で,ここで一回,社長,会長の会議で話をしました」(同26頁),「日曜日にやる月1の社長,会長もでた中越沖地震対策会議の席では,皆さんに,その時点での最新のお金のものをお配りして」(同27頁),「20年の6月,7月ころに話があったのと,12月ころにも貞観とか,津波体制,こういった話があれば,それはその都度,上にも話をあげています。」(同36頁)とされている。
 この会議には被疑者勝俣が毎回出席していたことは明らかで,勝俣の聞いていないという証言がウソであったことが,この吉田調書で明らかに裏付けられたのである。


*引用元「吉田調書」については、内閣官房ホームページよりダウンロードできます
 内閣官房_政府事故調査委員会ヒアリング記録





2014年10月12日日曜日

【お願い】東京地検へ「激励」ハガキを送ってください!

現在、東京地検で東電福島原発事故の再捜査が進められています。
 
東京地検が、「検察審査会の議決」に勇気をえて、「吉田調書」をはじめ政府事故調、国会事故調などの資料を調査し、強制捜査、家宅捜査を行い、被疑者4人を起訴するように、「激励」のハガキを送ってください。
 
ぜひ、ハガキに心を込めて、ご自分のメッセージを添えて、東京地検へ送ってください。
 
たとえば、
  • 東京地検が自ら、起訴してください。
  • 被疑者4人を起訴してください。
  • 強制捜査をしてください。
  • 検察の手で裁判を起こしてください。
<宛先>
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1丁目1番1号
東京地方検察庁 
福島原発告訴団の告訴・告発事件 担当検事 様
 
 

2014年10月1日水曜日

930「起訴へ!院内集会&東京地検包囲」行動!

 
9月30日、福島県からは3台のバスを用意して行われた「起訴へ!院内集会&東京地検包囲」行動は、全国各地から駆けつけた方々も加えて約350人の参加がありました。
 
12時から参議院議員会館講堂で行われた院内集会では、弁護団3人から報告がありました。
  • 海渡雄一弁護士「検察審査会議決書の解説と知見提出の上申書について」
  • 河合弘之弁年「吉田調書の汚染水対策、津波対策の部分について」
  • 保田行雄弁護士から「今後の被害者運動について」
参議院議員会館 院内集会配布資料
 
東京地方検察庁提出上申書
 
福島から駆け付けた告訴人の3人(工藤悦子さん、管野千代子さん、菅野つねよしさん)からは、原発事故によって一変してしまった現状の報告と共に、「なぜ起訴されないのか」と胸を打つ力強いアピールがありました。ゲストの広瀬隆さん、落合恵子さんからも適正な捜査と起訴を求めるスピーチがあり、院内集会は大盛況で終わりました。
 
■当日の動画
 
集会の途中で、弁護団と副団長は東京地検に向かい、佐藤・古宮両検事と面談。上申書を提出しました。
被疑者たちは、原発事故を予見できた。注意義務があり、いくらかかるのか試算まで行いながら、対策をとらなかった。開示された吉田調書は証拠の宝の山である。ぜひ精査してほしい。花火工場と原発とでは、予見可能性を基礎付ける会社担当者の能力にも注意義務にも大きな違いがある。本件は、検察が自らすっきりと起訴すべき事件である。…など両検事に対して、弁護団から捜査の要望が伝えられました。
 
この間、東京地検の前では、参加者たちのアピールが続きました。最後には全員でシュプレヒコール。
「地検自らが起訴せよ!」
「強制捜査をせよ!」
「被疑者4人を起訴せよ!」
「原発事故の責任を追及せよ!」
 
検察が被疑者たち(勝俣,武黒,武藤,小森)を起訴するまで、私たち福島原発弁護団は訴えを続けます。正義が行われますように、これからもご支援よろしくお願いいたします。