2018年7月5日木曜日

第10回公判報告

2018年5月8日 第10回公判期日報告

作成 佐藤真弥
監修 海渡雄一

長期評価のとりまとめを担当した事務局が、長期評価が多くの専門家のコンセンサスでまとめられた経過を証言した

証人 前田憲二

内容
第1 書証の取り調べ
    第2 主尋問
    1. 経歴
    2. 地震調査研究推進本部とは
    3. 長期評価とは
    4. 日本海溝沿いの領域で発生する津波地震について
    5. 長期評価の取りまとめの過程について
    6. 公表直前の内閣府からの注文に対する対応
    7. 信頼度の評価の導入について
    8. 長期評価の改訂でも津波地震の回数が3回から4回になっただけで、変更はない
    第3 反対尋問
    1. 長期評価策定作業の基礎となる資料について
    2. 証人の専門分野について
    3. 津波地震に関する長期評価について
    4. 微小地震について
    5. 1611慶長三陸地震について
    6. 1677延宝房総沖地震について
    7. 信頼度について
    8. 内閣府からの注文について
    9. 長期評価に対する批判・コメントなどについて
    10. 想定津波地震の規模と確率について
    11. 長期評価の審議の記録について
    12. 1611年と1677年の地震について
    13. 大竹政和氏の意見について
    14. 石橋克彦氏、都司嘉宣氏らの「地球」論文について
      第4 再主尋問

      (PDFで読む)

      第1 書証の取り調べ

      開廷
      双方書証申請
      甲A243~245
      弁147
      神山:
      【甲A243 PSAモデル化】
      【甲A244 『地学基礎』島崎邦彦】
      【甲A245 Q「中間安全性評価 中間に含まないのか?」A「地震随伴事象については解析中。津波評価は、津波評価技術のあと推本の知見を」】
      宮村:
      【弁147 バックチェックに向けて 2008.3.31 1F所長大出より説明する
      「変更のポイント」地震動の変更】
      【147-3 メール 中間報告後レク(高尾ら)QA15個】

      第2 主尋問

      1 経歴

      証人入廷 宣誓
      神山:勤務先は?
      前田:(気象庁)地震予知情報課(に再任用された)。1985年、昭和60年から務めた。
      神山:経歴を。
      前田:応用地震学の理学博士。地すべり、崩壊、地すべり予測が専門。地震の頻度や統計により地震の予測に役立つ。気象研究所で地震の特徴や予測の研究。再任用で現職についた。
      平成14年~16年(2002~2004)に文科省に出向。地震本部で長期評価の策定、公表に関与した。地震調査管理官で事務方の責任者だった。

      2 地震調査研究推進本部とは

      神山:地震本部ができたきっかけは?
      前田:1995年の阪神淡路大震災で6000人を超える死亡者が発生した。課題が明らかになった。一般の人は、関西では大きい地震が起きないと思っていたが、学者の間ではどこで起こってもおかしくないと考えられていて、そのギャップが課題で反省点だった。
      1995年、特措法が議員立法ででき、地震調査本部ができた。
      地震本部は2つ。一つは政策委員会、もう一つは調査委員会。政策委員会は、国の方針、どのような研究をするか、政策を。調査委員会は地震調査委員会が長期評価の策定などを。
      神山:阪神淡路大震災の反省でできたと。
      前田:はい。
      神山:一言で役割を言うと?
      前田:学者はまちまちな意見をいう。国として一元的にとりまとめる。
      【資料1 地震本部HPのプリントアウト「設立の経緯」】
      【資料2 地震本部HPのプリントアウト「各委員会の役割」】
      本部長は、かつては科学技術庁長官、今は文科大臣
      神山:どのような部会があるか?
      前田:長期評価部会。津波評価部会が最近できた。当時は無かった。
      神山:長期評価部会は何をするのか?
      前田:10年から50年を見越した長期的な予測をする。
      神山:その目的は?
      前田:政府として、防災対策のため、民間のため、危険度を示す。
      神山:長期評価部会にはどのような分科会が?
      前田:海溝型分科会、活断層分科会。海溝型分科会は海の中、活断層分科会は内陸の浅いところの評価をする。
      【資料3 HP 長期評価部会について】
      【資料4 海溝型分科会第Ⅱ期】
      神山:第Ⅱ期は平成13年3月で終了するが?
      前田:その成果も含まれる。
      神山:中央防災会議とは何か?
      前田:地震本部の知見から地震対策の方針を決める。
      神山:役割の違いは?
      前田:地震本部は学術的、科学的観点のみを考える。それをもとに中央防災会議は対策を立てる。地震本部が基本にある。
      神山:地震本部の特徴は?
      前田:学術的観点から策定する。コストや対策の取りやすさは考えない。コストを考えると科学的な観点が変わってしまう。

      【資料5 H14.7.31 長期評価(三北~房)】地震調査委員会のメンバー
      神山:どのようなメンバーか?
      前田:大学教授、学識経験者、政府の関係者。委員長は津村(健四郎)さん。気象庁の顧問。阿部(勝征)さんは地震と津波に詳しい先生。
      神山:証人の記憶に残っている人は?
      前田:島崎(邦彦)さん。評価を取りまとめる中心的役割。事務方は須田秀志さんが責任者。私は事務局で取りまとめる立場。毎回、委員会、分科会に出席した。
      神山:長期評価部会のメンバーはどのような方か?
      前田:大学の先生、政府機関の代表。
      【資料6 長期評価部会 名簿】
      部会長 島崎邦彦
      前田:寺沢先生は東北大。東北に詳しい。杉山先生は活断層が専門。
      神山:証人の名前もある。
      前田:はい。
      神山:海溝型分科会は?
      前田:地震に詳しい方。大学の先生、各機関の専門家。島崎主査、佐竹(健治)先生、歴史地震に詳しい都司(嘉宣)先生。佐竹先生は当時、産総研で、津波の大きさや過去の津波の履歴を研究していた。

      3 長期評価とは

      【資料8 長期評価】
      神山:どのような考え方か?
      前田:地震は繰り返し起こる。過去に起こった地震を調べる。いくつかの領域に分けて評価する。
      【資料9 長期評価 「図1 三陸沖北部から房総沖の評価対象領域」】
      【資料10 長期評価 「表2 三陸沖~房総沖で発生した主な地震のマグニチュード等」】

      前田:Mtは津波マグニチュード。津波の大きさから計算したマグニチュード。Mwはモーメントマグニチュード。エネルギーを客観的に評価したマグニチュード。
      【資料8 長期評価】
      【資料11 長期評価 「表3-1 三陸沖北部のプレート間大地震の発生領域、震源域の形態、発生間隔等」】
      神山:この地震の特徴は?
      前田:比較的過去の地震がよくわかっている。繰り返し起こるとわかっている。M8クラスの地震の繰り返しが比較的わかっている。
      【資料10 長期評価】
      神山:固有地震とは?
      前田:繰り返し起こる性質がはっきりしている。平均的に発生間隔が想定できる。

      4 日本海溝沿いの領域で発生する津波地震について

      【資料11 長期評価 「表3-2 三陸沖北部から房総沖の海溝寄りのプレート間大地震(津波地震)の発生領域、震源域の形態、発生間隔等」】
      神山:プレート間地震とは?
      前田:プレートとプレートの間で起こる。陸のプレートと海のプレートの境目で起こる地震。

      *前田証人が作図をする(プレート間地震・プレート内地震)

      神山:プレート間地震は津波地震なのか?
      前田:津波地震とは、津波を起こす地震という意味ではない。揺れに比べて大きな津波になる地震のこと。プレート間地震には、津波地震とそうでないものがある。
      【資料11】
      【資料9 長期評価 「図1 三陸沖北部から房総沖の評価対象領域」】
      神山:この長い領域のどこでも津波地震が起こるとしたのか?
      前田:1896、1677、1611、3回の地震があった。比較的よく資料が残っている1896を震源モデルとして、400年に3回の頻度とした。
      【資料11の2 長期評価】
      神山:プレート内地震、正断層型も?
      前田:同じように領域内で、どこでも起こると考えられるとした。
      神山:発生確率について聞く。どのような考え方か?
      前田:地震は繰り返し起こる。過去何年間に何回起きているかから、将来起こる確率、10年、30年、50年でどのくらいの確率で起こるかと。
      【資料12 長期評価 表4 地震の発生確率】
      前田:固有地震は繰り返し間隔がある程度決まっている。
      プレート間津波地震は、必ずしも同じ場所で繰り返し起きてはいない。そのため、ポアソン過程で評価する。
      神山:津波地震でなぜポアソン過程を使うのか?
      前田:過去の地震が、同じもの、同じ場所、同じ間隔ではない。長い領域内で起こる頻度だけは推定できる。ランダムに起こるとする。
      【資料21 BPT ポアソン】

      5 長期評価の取りまとめの過程について

      【資料13 「説明」】
      神山:評価文には「説明」と「本文」とがあるが?
      前田:「説明」は専門家向けに根拠を詳しく書くもの。
      神山:議論の進み方は?
      前田:海溝分科会で議論のたたき台、素案を作る。専門家に評価してもらう。長期評価部会を経て、委員会で各機関の代表が見直す。分科会・部会は月1回あった。
      事務局就任時に素案はできていた。平成14年4月に(気象庁から)文科省(の地震本部)に出向してきた。3月に引き継ぎがあったが、それ以前のことは知らない。
      【資料14 H14.6.26? 長期評価部会 議事要旨?】
      島崎「一応確定とする」 前田「メールでお願いしたい」
      神山:なにか変更はあったか?
      前田:本質にかかわるものはなかった。
      【資料15 H14.7.210 地震調査委員会】
      三陸沖から房総沖の長期評価終了
      神山:意見の一致を見なかったものはあるか?
      前田:大きな異論はなかった。
      神山:特に異論があって紛糾したというということはない?
      前田:委員が内心どう思っているかは知らないが、意見の一致をみた。

      6 公表直前の内閣府からの注文に対する対応

      神山:公表直前に内閣府から何か注文があったか?
      前田:信頼度がない粗いものだと。高い、低いが分かるようにと。公表直前に何度かメールと電話があった。「こうしろ」というメールだった。本文と別に、前書きとして、「信頼度には幅があって、防災対策に使うには注意が必要」と入れるようにと。
      【資料16 内閣府参事官補佐 メール】
      【資料17 メール添付の修正案】
      【資料18 「防災対策を考えた場合多大な投資」】
      神山:どう思ったか?
      前田:評価には、投資コストは関係ない。変えるところはない。メールに対して対応する必要はないと思った。
      内閣府とやり取りして、前書きを修正するという対応になった。決定したのは須田課長であった。
      【資料19 前田発メール 津村・阿部・島崎宛】
      前田:返事のやり取りはしていない。須田課長が電話で対応した。津村さん、阿部さんの了解を得たと聞いた。島崎さんの了解を得たとは聞いていないが、想像で了解を得たのだと思っていた。
      【資料20 表書き】
      神山:内閣府の申し入れはほぼ入れたようだが?
      前田:内容には関わらなかったので入れた。
      神山:どう思った?
      前田:公表の直前だったので多少面食らった。内閣府には以前から信頼度について言われていたので、ありうるとは思った。

      7 信頼度の評価の導入について

      前田:信頼度は千島の評価から導入した。
      【資料21 H14.8.26 2枚目】
      長期評価への信頼度の導入について
      【資料22 H15.3.24 千島海溝沿いの地震活動の長期評価について】
      【資料23 信頼度について】
      神山:ABCDのランク付けと意味は?
      前田:データの質の違い、多い、少ないがある。定性的に4段階の相対的評価をした。基本的にデータが多いか少ないかで決まる。
      神山:発生確率についての信頼度が低ければ、発生頻度が低いのか?
      前田:そうではない。判断の幅が変わる、今後、判断が変わりうる、ということ。信頼度と確率は違う。
      【資料24 BPT ポアソン】
      神山:発生領域の評価の信頼度について、Cとは?
      前田:特定の領域ではない。場所が特定できなく、どこで起きるかわからない。
      神山:規模の評価の信頼度とは?
      前田:はっきりとわかれば高い。歴史地震のようにはっきりわからないと低い。
      神山:発生確率の評価の信頼度とは?
      前田:過去の地震の数や、BPTかポアソンかで評価が変わる。BTPは評価が1段階上がり、ポアソンは1段階下がる。
      BPTは固有地震の評価に。ポアソンはいつ起こってもおかしくないということ。信頼度と切迫度は違う。切迫度とは確率そのもの。データの信頼度とは別。

      8 長期評価の改訂でも津波地震の回数が3回から4回になっただけで、変更はない

      神山:長期評価は改訂されたが、それに関わったか?
      前田:改訂には委員として関わった。
      神山:いつから?
      前田:平成16(2004)年の5月か6月から委員になった。
      【資料 H21.3.9 三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価の一部改訂について】
      神山:何が改訂されたか。変更はあった?
      前田:茨城沖で地震があったことを受けて、BPTを更新。考え方の変更はない。
      【資料27 H23.1.26 長期評価部会】
      神山:長期評価の第二版について。
      前田:長期評価の公表から時間の経過があったので。宮城県沖の地震と三陸沖から房総沖海溝沿いがかぶっていたので。
      【資料28 長期評価第二版案】
      前田:2005年の宮城での地震を受けて、想定していた固有地震かどうかを調べた。三陸沖から房総沖海溝寄りとかぶっていたので。三陸沖から房総沖海溝寄りの評価に見直しはなかった。
      【資料29 長期評価第二版案】
      神山:平成23年、東日本大震災までに公表できなかった。
      前田:東日本大震災を受けて、見直しをした。
      【資料30 東日本大震災の評価 地震調査委員会】
      神山:ここでの想定外とは?
      前田:複数の領域が連動して一度に動くことは想定外だった。それぞれ個別の領域の発生だけ想定していた。
      【資料31 H28.11】
      【資料32 長期評価第二版 表3-3 根拠】
      神山:2002年版と比較して変更は?
      前田:東日本大震災の領域を含めた。以前は3回だったが、4回とした。それ以外の変更はない。
      【資料11 長期評価 表3】
      神山:2002年版と第二版、根拠は同じ。発生が3回と4回の違いだけと?
      前田:はい。
      【資料33 長期評価 表4-3】
      神山:どこが変わったか?
      前田:ポアソン過程は、無秩序に起きて領域もどこか分からない。評価は発生頻度を基に決める。412年で4回、平均発生間隔は103年、特定の領域での発生確率は412年に1回。海溝寄りどこかでは103年に1回。
      三陸沖から房総沖海溝寄りどこでもの評価については変化はない。
      神山:東日本大震災を受けても?
      前田:変更はない。
      主尋問終了

      第3 反対尋問

      開始

      1 長期評価策定作業の基礎となる資料について

      岸:勝俣の弁護人の岸です。
      事務局の業務内容は?
      前田:評価の原案を作った。
      岸:原案とは?
      前田:長期評価のもととなる案
      岸:分科会・部会で審議をする際の資料を提供するのか?
      前田:事務局で収集したり、委員から提供されたりする。
      領域分けの資料や、過去の地震の分布、震源の分布、プレート形状の資料など。
      岸:例えばプレートの資料は、調査してまとめて提供したのか?
      前田:地震予知総合研究振興会に委託して、生の資料から手を加えてもらう。
      岸:過去の地震の一覧表の作成をしたか?
      前田:はい。
      岸:作成にあたって、地震がどこで起こったかという評価は事務局が行うのか?
      前田:文献をもとに、委員に示して行う。
      岸:長期評価の公表文に資料が添付されている。領域分け、過去の地震分布、津波高さ。
      微小地震は?
      前田:原案は気象庁。
      岸:選別は事務局で?
      前田:原案は事務局。載せるかは委員の議論で。選別が正しいかどうかを含めて委員会にかける。
      岸:地震本部の役割について聞く。
      地震本部が独自に新たに研究をするか?
      前田:基本的にはない。準直接的にやるのは、特定の領域、特定重点地域。
      岸:中央防災会議は内閣府か?
      前田:はい。
      岸:地震本部は文科省か?
      前田:はい。

      2 証人の専門分野について

      岸:気象庁から出向している方々が事務局だったのか?
      前田:はい。
      岸:地震の専門家か?
      前田:特定の、ではなく、一般的に知識がある者。
      岸:証人は地震本部の事務局になってから、委員になったと。
      地震について、専門的な知識がある?
      前田:自分の専門分野は確率評価だ。

      3 津波地震に関する長期評価について

      岸:津波地震については平成14年当時から知識があった?
      前田:津波地震の発生自体は専門ではない。発生頻度など、確率評価が専門。
      岸:1611、1677、1896の3つの地震についてはご存知か?
      前田:ある程度知っていた。
      休廷

      再開
      【資料9 長期評価 「図1 三陸沖北部から房総沖の評価対象領域」】
      岸:陸側で分かれている根拠は?
      前田:過去の地震の震源域からまとめられる範囲で。過去の地震を基に。
      岸:三陸沖北部から房総沖をひとくくりにした理由は?
      前田:海溝寄りは特定の領域ではなく、揺れに比べて津波が大きくなる地震が起こる。同じ場所で繰り返しではない。1611、1677は海溝寄りではあろうが、南北どこかは分かっていない。陸側は比較的わかっている。
      岸:海溝寄りは、1896ははっきりしていると。1611、1677ははっきりしなかった?
      前田:ひとまとめにした理由は、津波地震が起こる(領域)ということも含めてだ。
      岸:海溝分科会の議論の時点では?
      前田:引継ぎをした時点では、三陸沖北部は海溝寄りの領域はなく、その後の議論で一つの領域になった。
      岸:このような領域分けをすることに、平成14年以前の知見はあったか?
      前田:過去の文献にはない。
      岸:地震地帯構造区分というのがありますね?
      前田:いくつか。詳しくは知らない。
      岸:最初に案が出たのはいつか?
      前田:引継ぎ時点であった。最初の議論は知らない。
      【弁2-1 第62回長期評価部会 事務局メモ H14.1】
      M8としては869、1611、1896、1933、1933は正断層
      →1933は正断層なのでこれだけ個別
      →1611、1896、1677とあわせて海溝寄りM8クラスとして場所不定としながら評価する
      前田:事務局のアイデアは、主査(部会長)の許可を取って示す。
      【弁2-2 第62回長期評価部会 事務局メモ H14.1】
      岸:同じ部会での資料だ。見たことは?
      前田:ない。
      【弁2-3 第62回長期評価部会 事務局メモ H14.1】
      岸:見たことは?
      前田:記憶はない。ただ、引継ぎのときにあった可能性はあるが。
      【弁2-2 第62回長期評価部会 事務局メモ H14.1】
      【弁2-3 第62回長期評価部会 事務局メモ H14.1】
      岸:福島沖では津波地震は発生していないが?
      前田:古文書を基に、過去の揺れから推定している。幅が広い。どこで起きたか確かなことは言えない。
      延宝房総沖も津波は福島まで及んでいた。
      岸:審議の中でそうなったのか?
      前田:審議の中で、明治三陸沖以外ははっきり言えないと。慶長三陸沖は北の方、延宝房総沖は南の方と。領域までははっきり言えない。
      岸:福島沖で起きたという議論はあったか?
      前田:はっきりとではない。福島まで及んでいたのかもと。
      【弁2-4 長期評価部会 H14.1.16】
      岸:見たことはあるか?
      前田:当時は見なかった。似たようなのは見た。
      岸:黄色の線は何か?
      前田:区分けの線だろうか。今の線とはズレているような。当時のどのような意味だったかはわからない。
      岸:どういう根拠で引いた線か?
      前田:わからない。
      岸:証人が関わってから、海溝寄りをひとくくりにしたのではないのでは?
      前田:原案の中にあった。
      【弁4-1 海溝型分科会 H14.5.14】
      【弁4-2 長期評価について案】
      三陸沖北部の領域は陸側と一緒になっている
      岸:この時は事務局担当になっていますね?
      前田:はい。
      岸:北部に黒塗りがあって、1968、十勝沖と。
      前田:震源域か波源域だ。
      岸:海溝沿いまで入っている?
      前田:はい。
      岸:これがあるから三陸沖北部から始めた?
      前田:資料が多い所から始めた。三陸沖北部は多い。海溝軸をどうするか、途中段階の図。その後、海溝寄りの図になった。その途中段階の図だ。
      岸:三陸北部と海溝軸が重なってしまうのでは?
      前田:領域が重なるのは不思議ではない。
      岸:最終的にはひとくくりにしたと?
      前田:はい。
      岸:ひとくくりにしたことについてどう思った?
      前田:海溝軸を分かっていない領域までひとくくりにするのは、少し乱暴な評価の可能性もあるなと思った。

      岸:海溝寄りどこでも起こるの根拠はどこに?
      前田:評価文の中だと思う。
      【資料13-2 P18 長期評価「説明」】
      【資料8-1、8-2 長期評価「本文」】
      岸:3つの津波地震が知られていることから、「海溝寄りどこでも起こる」となる根拠は?
      前田:固有地震として扱われなかった。
      【資料13-2 P18 長期評価「説明」】
      岸:これが根拠か?
      前田:はい、そうです。
      岸:固有地震と断定できないと。
      前田:同じタイプの地震が繰り返し起こるが、過去に同様の地震が少ない。
      固有地震とは、同じような規模の地震が繰り返し起こること。過去1回では同じとは言えない。
      岸:固有地震と言えなければ、どこでも起こると言えるんですかぁ?
      前田:同じ構造を持つプレート境界で起こる。沈み込み構造が三陸北部から房総まで同じだからだ。
      岸:同じ構造だというのがどこでも起こる根拠と?
      前田:はい。
      岸:日本海溝寄りだからということか?
      前田:海溝寄りで3回起きている。海溝寄りで同様に起こるだろうと。
      岸:陸地寄りは分けたのに、海溝寄りは分けなかったのか?
      前田:陸地寄りは、場所が特定しやすい。陸から離れていると特定しにくい。データの精度がないのでひとくくりにした。
      岸:どこでも起きる、という知見は、長期評価公表前にあったか?
      前田:いいえ。特定の文献等では無い。
      岸:福島沖もか?
      前田:はっきりと福島沖に延びているという知見はないが、否定するものもない。

      岸:福島沖のプレート間は、固着が弱くて大地震が起きないという知見はなかったか?
      前田:そういう知見もあった。GPSで陸地の変形を観測し、固着域を推測するという解析があった。
      岸:「非地震的にすべる」、とは?
      前田:高速にすべる場合が地震。ゆっくりすべるのが非地震的。
      岸:福島沖に非地震性すべりがあったのでは?
      前田:そういう考え方もあった。
      岸:非地震性すべりは津波にならないということではないのか?
      前田:必ずしもならないわけではない。ぜったいではない。大地震が比較的近い場所で起こると、地震性のすべりが起こる。
      岸:地震性のすべりが能力的に津波地震に及ばないのか?
      前田:わかりません。

      【弁10-7 長期評価 P40】
      主な震源域
      岸:主な、とは?
      前田:規模の大きな震源域。Mが大きい。広い。厳密にMいくつ以上というのではない。よく分かっていて大きなもの。三陸北部は多い。
      岸:1677の▲は延宝房総沖の震央か?
      前田:はい。ただ、はっきりではなく、この辺のあたりであろうと。丸で囲っていないのは、広がりがわかっていないということ。
      岸:1677の震央から福島沖までの距離はどのくらいか。
      前田:下のスケールからすると200Kmくらいか。
      岸:200Kmは明治三陸沖の断層の長さと同じだ。▲から200Kmだと福島沖は断層の端になってしまうが?
      前田:震央の▲がこことは限らない。もっと北ならありうる。
      岸:1611慶長三陸沖の震央は1896明治三陸沖の楕円の中にあるのか?
      前田:はい。しかし、現在でもそこだ、とは言えない。
      岸:1933昭和三陸沖は海溝にまたがっている。正断層型は海溝より海側か?
      前田:はい。
      岸:逆断層はせり上がる?
      前田:正断層は上の岩盤が下にずり落ちる。引っ張る力で起こる。

      4 微小地震について

      【弁10-15 長期評価 56P 図】
      岸:どんな図か。
      前田:すぐに思い出せないが、小さい地震がどの領域に起きているかでは。
      【弁15-3 長期評価第二版 図42-1 震央分布図 M5以上】
      岸:海溝寄り領域は、北と南ではずいぶん違う?
      前田:活動度は違う。
      岸:ひとくくりになるんですかぁ?
      前田:規模の小さい地震でそう見えるが、規模の大きい地震はこれでは見えない。規模の大きな地震についてはこの資料では言えない。
      岸:福島沖(の陸側)は丸が密集しているが、海溝寄りはまばらだ。1923~2011の88年間のM5以上。丸のない白い部分はどんな状態か?
      前田:固着が弱い、ゆるい現れの可能性はある。
      岸:非地震的にすべっていると言えるか?
      前田:必ずしも言えない。明治三陸沖はゆっくりすべりだ。ゆっくりすべる領域でも地震が多い場合がある。その逆も。
      岸:明治三陸の場所は、北緯39~40度くらいか?
      前田:はい。200Kmくらいの領域。
      岸:微小地震について聞きます。
      【弁10-5】
      【弁10-6 福島沖、海溝寄り 微小地震】
      岸:微小地震でどんなことがわかるか?
      前田:微小地震はM3くらいの地震。プレートの形状、地震の場所が微小地震の深さから推定できる。陸から遠いと判断しづらいので、一つの判断材料になる。
      岸:三陸沖と福島沖の海溝寄りで微小地震は違うか?
      前田:はい、固着の強弱、地震の性質、もともと小さな地震しか起こさないという性質を示す場合もある。
      岸:海溝寄りのどこでも起きるという積極的な理由になるか?
      前田:積極的な理由というより、分けて考える。同じような領域で起こらないという積極的な理由がない。起きるという可能性を否定できない。

      5 1611慶長三陸地震について

      岸:1611慶長三陸はどんな議論を?
      前田:両方の議論を聞いていて区別できていないが、認識しているのは、三陸沖から北海道の可能性があると。巨大地震の。
      岸:正断層ではないかという議論はあったか?
      前田:いいえ。
      岸:過去の議論で1611は正断層ではないかというのは?
      前田:私は知らない。
      【弁10-2 長期評価】
      岸:明治三陸と同じ波源域という記述があるが?
      前田:波源域が同じというだけで、正断層という議論はなかった。
      岸:1611の波源域が1933とほとんど重なっているのでは?
      前田:1611は津波地震。揺れが少ない。正断層は起こりえない。プレート境界だというのが地震学の一般的な理論。

      6 1677延宝房総沖地震について

      岸:1677は?
      前田:震源ははっきりしないが、南の方の地震だろうと。
      岸:波源域がわからないというが、羽鳥(徳太郎)の先行研究を否定する議論はあったんですかぁ?
      前田:いつか分からないが、この信頼性を議論した。
      岸:信頼性に疑問があるのになぜ載せたんですかぁ?
      前田:おおまかに南の方にあるという意味だ。
      岸:長期評価を作ったときに、羽鳥のは信頼できないとして載せたんですかぁ?
      前田:基本的に信用している。精度を確認した。
      岸:400年に3回とあるが、400年に2回と3回とで場合分けしたものはあるか?
      前田:試算したかどうかは覚えていない。
      【弁10-4】
      石橋論文 1677がM6~6.5の陸寄りの地震
      岸:1677を海溝寄りではないという石橋説がある。
      【H14.5.14 海溝型分科会】
      阿部1999 津波地震であることは確実と思われるので1611、1896と同じように扱うこととする
      岸:「扱うこととする」。つまり、本当はそうじゃないけどそのようにするということですかぁ?
      前田:阿部先生の資料により、断言するより一つ弱い表現をした。

      7 信頼度について

      岸:信頼度の資料を作ったか覚えているか?
      前田:はい。
      岸:どんな資料か?
      前田:個別には覚えていない。
      【弁7-1】
      【弁7-2 H14.9.18 千島分科会?】三陸から房総長期評価公表後
      1677、羽鳥・石橋 海溝寄りか怪しい
      岸:「怪しい」とあるが?
      前田:どこで起きたか特定できないことを「怪しい」と表現した。1896は特定できるだけの資料がある。その違い。
      岸:千島沖の長期評価の議論で、震源域の不確実性が大きいという表現の議論があったか?
      前田:覚えていない。
      【弁14-1? 千島長期評価?】
      不確実性が大きいので、領域の区域分けや想定震源域は大まかな目安である
      岸:「大まかな目安である」と書いてあるが?
      前田:三陸から房総の長期評価と同じ。基本的な考え方は同じ。

      8 内閣府からの注文について

      岸:内閣府から注文が付いた?
      前田:信頼度がないと。長期評価自体の表現は変えていない。
      岸:斉藤さんはどんな方か?
      前田:気象庁から出向した。基本的な知識はある。
      岸:内閣府に、気象庁から出向することがあるのか?
      前田:何人か出向している。
      【弁9 内閣府参事官補佐(地震・火山対策担当) 斉藤誠 発メール 2002.7.23?】
      (指定弁護士資料の日付は2002.7.25 (政府事故調調書も7.25))
      岸:メールに添付の問題点として、「むりやり計算したような、非常に精度は低い」「ポアソン過程でしか確率を算出できないような」とあるが?
      前田:誤解がある。ポアソンだろうがBPTだろうが、確定論ではできない。
      岸:どちらがより良いか?
      前田:ポアソンが良い場合もあるし、BPTの方が良い場合もある。
      データが多い場合はBPT。データが少ないとポアソン。データが多い方が精度が高いのは事実だが、望ましいのは適切に表現を変えること。
      岸:宮城沖は?
      前田:扱い方として固有地震。
      ポアソンは地震が起きて確率がゼロにならずそのまま。
      【資料18 斉藤誠 メール添付】
      「この領域については同様の発生があるか否かを保証できるものではない」
      前田:過去に起こっていないところで(津波地震が)起こるは、一歩踏み込んだ評価かもしれないが、近くで地震があったことは事実。
      岸:「防災対策」ということを意識したか?
      前田:内閣府に~

      9 長期評価に対する批判・コメントなどについて

      岸:長期評価について、地震学者から批判はあったか?
      前田:津村さんか島崎さん宛てに学者だったか原子力関係の委員からあったようだ。記憶はない。
      【弁6-2 千島分科会?】
      岸:(信頼度について)ポアソンをBPTより下げるという発言があるが?
      前田:実際にそうした。
      岸:「広く取りすぎたことを反省してCにしたい」とある。「反省」したのは誰?
      前田:わからない。

      岸:「海溝寄りどこでも起こる」について、福島県沖や茨城県沖は違うのではないかという議論はあったか?
      前田:あった可能性はある。延宝房総沖は(震源域が)特定できないので。
      【弁5 地震調査委員会 H14.7.10 議事概要】
      岸:津村さんの指摘は?
      前田:領域が特定できていないから、細長くなった。分かれば細かくなる。今後はもっとはっきりしてくるだろう。
      【弁8 長期評価部会 論点メモ】
      岸:サイスミシティとは?
      前田:地震の発生数、活動度のこと。
      岸:同じ構造の「構造」についての議論があるが?
      前田:沈み込み角度などについて議論した。
      岸:鹿島海山については?
      前田:海山の影響については、評価は定まっていないと思う。
      岸:付加体とは?
      前田:海の堆積物、はぎとられた表層が陸に引っ付く。
      岸:津波地震と付加体の関係は?
      前田:固着が弱くなって津波地震が起きやすくなる。
      岸:付加体が南と北で異なるという論文は?
      前田:読んだことはない。
      岸:そういう論文が議論に使われたか?
      前田:記憶していない。

      岸:長期評価のあり方については?
      前田:三陸沖中部は、大きな地震は陸寄りよりも知られていない。確率は評価していない。評価していない領域もある。
      【弁13 長期評価 P22】
      池田(1995)、池田・佐藤(2002)は、~日本海溝沿いで今まで知られている規模以上の巨大地震が発生した可能性があることを指摘~未解明の部分が多いため、本報告では評価対象としないこととした(*1)
      岸:「評価対象としないこととした」とは?
      前田:評価が定まっていないので、評価していない。
      三陸沖中部とは意味合いが違う。三陸沖中部は、歴史地震がないのは確実。
      「歪」は、池田さんの科学的一仮説。
      岸:池田さんは東日本大震災を指摘したのではないのか?
      前田:池田さんの知見とは違う。陸側のもっと大きい地震のことだろう。
      _______
      *1 これはハルマゲドン地震に関する記述である。

      10 想定津波地震の規模と確率について

      岸:(想定津波地震の)マグニチュードは明治三陸と同程度、M8.2程度と。マグニチュードの議論は?
      前田:一般的な気象庁Mは8で頭打ち。モーメントマグニチュードMwはエネルギーの単位から。阿部さんの研究で、津波高さから津波マグニチュードMtを決めた。
      岸:三陸沖でも福島沖でも同じ確率というのは、審議の時に議論になったか?
      前田:何度もあった。
      【資料 H14.6.26 長期評価部会】3枚目 P7
      島崎「400年に3回と割り切った」「一様に起こるとした所に問題が残りそうだ」
      岸:この発言は?
      前田:私の理解では、明治三陸は発生した場所も明らかだが、他の2つははっきりしない。発生場所が想定通りかはわからないが、津波地震が起きたことは間違いない。

      11 長期評価の審議の記録について

      易:武藤の弁護人、易(智久)です。論点メモ、作成メモについて。分科会の審議は録音していたか?
      前田:そのように記憶している。後半はそうだ。おそらく前半も。
      易:委員の発言は全て記録されているか?
      前田:外部委託したものは抜けていた可能性はある。
      易:議事概要は全て記録しているか?
      前田:基本的に全て。
      易:長期評価部会のメモ、議事概要も?
      前田:全て記録されていると考えている。
      易:分科会の議事録は公開されていなかった?
      前田:公開はしていない。(情報公開)請求があれば、発言者を伏せて公開することになっていた。

      12 1611年と1677年の地震について

      易:平成14年以前に、1611について、三陸沖ではなく千島海溝沿いではないかという発言があったか?
      前田:そういう議論はあった。
      易:1677について、津波地震ではないのでは、という議論があったか?
      前田:はい。
      【弁3-1、3-2 H14.5.14 海溝型分科会 議事概要】
      佐竹「津波地震として1677年はいれるかいれないかだが、1611年の位置も本当にここなのか?」→ 島崎「ほとんど分からないでしょう。」
      佐竹「1611年は津波があったことは間違いないが、見れば見るほどわけが分からない。」
      佐竹「そもそもこれが三陸沖にはいるのか?千島の可能性だってある。
      阿部「1677年は房総沖ではなくて、房総半島の東のずっと陸地近くでM6クラスの地震かもしれない。「歴史地震」に載っている。」
      易:これらは津波地震か?
      前田:津波地震には変わらない。
      【弁15-1、15-2 長期評価第二版 H23.11.25】
      易:平成23年11月25日公表の第二版に、「複数の領域を震源域とした過去の地震」の項目がある。東日本大震災前にはこのような項目はなかった?
      前田:はい。

      13 大竹政和氏の意見について

      宮村:弁護人の宮村です。H14.7.31の公表後、東北大の大竹政和さんから日本地震学会会長に意見が寄せられた。意見の内容は長期評価の信頼性ではないか?
      前田:わからない。そうだったかも。
      【弁4-1、4-4 分科会 長期評価案】

      14 石橋克彦氏、都司嘉宣氏らの「地球」論文について

      宮村:発生間隔の根拠の欄、「1677は日本海溝沿いではないという考え方も考慮して」というのは、陸寄りの可能性があるからか?
      前田:そうだと思う。
      【弁10-4 長期評価】P23
      房総沖の1677年11月の地震については、石橋(1986)は、地震の規模をM6~6.5と推定しており、もう少し陸寄りに発生した地震である可能性を指摘している。
      宮村:検討経過が書かれた?
      前田:はい。
      宮村:H14年7月の公表の後、H15年の『月刊地球』で、長期評価の特集があったが、記憶はあるか?
      前田:記憶はない。
      【弁13-1、13-2】
      宮村:都司さんは分科会の委員だった。1611の津波は地滑りによって起きた津波では、という論文だが、知っているか?
      前田:まったく知らない。
      宮村:石橋論文が長期評価を批判していたのは?
      前田:覚えていない。
      宮村:松澤さんのこの頃の論文に、付加体について、南では津波にならないという論があるが?
      前田:知らない。

      第4 再主尋問

      久保内:指定弁護士の久保内です。
      【弁10-2 長期評価】P20
      久保内:1677について、「津波の高さは、外房沿岸で4~8mに達した」とある。これは津波高さについての資料ではないですか?
      前田:そうです。
      久保内:先ほど波源の話があったが、波源の資料ではないと。
      前田:はい。
      久保内:図16は波高の図で、慶長三陸と昭和三陸の重なりを示した図ではない?
      前田:はい。
      久保内:1677の評価について、証人は津波地震と認識している?
      前田:はい。
      久保内:石橋先生もそうか?
      前田:わからない。
      久保内:長期評価は、委員から意見が出され、いろんな異論も出て、まとめられたと?
      前田:異論も含めてまとめられた。
      久保内:内閣府の斉藤参事官補佐の部署は、地震本部と意見をやり取りする部署か?
      前田:私にはわかりません。
      閉廷