2014年7月11日金曜日

6・28福島原発告訴団第3回総会開催。

6月28日、郡山市民文化センター集会室にて、福島原発告訴団の第3回総会が開催されました。当日は、石丸小四郎副団長が『事故から3年目 被害の深刻さ十の特徴』というテーマで記念講演を行いました。


石丸さんの富岡町の自宅は、今も「居住制限区域」で、現在はいわき市で避難生活を送っています。長年にわたる原発反対運動と原発事故の経験から、石丸さんは、「事故から3年目、被害の深刻さ10の特徴」をまとめました。

■事故から3年目、被害の深刻さ10の特徴
  1. 複合災害として 原発震災が現実となった
  2. 多数の原子炉が連続的に爆発し、広範囲に深刻な放射能汚染をもたらした。
  3. 多数の原発事故関連死をもたらした 。
  4. 多数の人びとを被曝させ、健康被害のリスクを拡大させている。
  5. 陸地の 放射能汚染が 深刻な被害をもたらした。
  6. 海洋の放射能汚染が 深刻な被害をもたらし、汚染の拡大が進んでいる。
  7. 事故収束の目処が全く立っていない。
  8. 事故収束、処理のため ぼう大な被曝労働 が必要となっている。
  9. 金銭的側面だけでも 数十兆円以上の損失をもたらしている。
  10. 様々な 社会的な対立、分断を引き起こしている。
そして誰一人として責任を取らず、原発はベース電源、再稼働、原発輸出、核燃料サイクルは強行、 原子力関係政府予算は増えている。
これでは“原発事故 焼け太り政策”だ!!
 

告訴団総会_河合弁護士スピーチ要旨

■第3回総会 決議文


決議文
 
 深みを増した緑を背景に山法師の花が初夏の光に白く映え、しばし私たちの心に安らぎをもたらしてくれます。
 しかし次の瞬間はもう、深刻な現実に引き戻されます。
 東京電力福島原発事故から3年3ヶ月が経つ今も、この事故は何一つ終わってはいません。
 
 2013年9月9日、私たちの告訴は福島地検から東京地検への「移送」の後、全員不起訴となりました。この原発事故の甚大な被害をもって、誰も罪が問われないのでしょうか。誰も責任を取ろうとはしないのでしょうか。
 
 被災地では、日々新たな問題が起き、被害はむしろ拡大しています。
 1日5000人の作業員の原発サイトでの被曝労働。
 破れたり、中から草や木が伸びている除染廃棄物を入れたフレコンバッグ。
 事故当時18歳以下の県民の、甲状腺癌とその疑いは現在約29万人中89人。
 地元住民を無視して造られる廃棄物焼却施設。
 地下水バイパスと言う名の下で、海に流される汚染水。
 賠償の和解案を拒否する東京電力。
 環境省が目論む除染の簡素化や目標値の緩和。
 被害者の怒りと悲しみは、方向を失いさまよっています。あるものは諦め、あるものは互いに対立し、またあるものは疲れ果て自ら命を絶っています。
 
 しかし、希望もあります。
 福井地裁が「大飯原発運転差し止め判決」を出し、福島原発事故の反省の下、人々の生存そのものに関わる権利を侵害するおそれがある原発は運転するべきでないとしました。福島第一原発吉田所長の政府事故調調書が新聞報道により一部明らかになり、新たな事実が判明しています。福島原発告訴団も調書の開示請求を行いました。真実は少しずつ、明らかになっています。
 
 私たちは諦めることなく、この事故の責任を問い続けましょう。
 東京検察審査会に、福島県警に、考えられるあらゆる工夫をもって、働きかけ続けましょう。理不尽な被害にあった者として被害の事実を伝え続けましょう。
 どんな困難の中にあっても、爽やかな目とやわらかい心を持ちながら、私たちの向かう方向に光を見出して行きましょう。
 
2014年6月28日
福島原発告訴団 総会参加者一同