2015年2月3日火曜日

納得いかない「不起訴理由説明会」(2015-2-3)

先月1月23日、「東京地検前抗議行動」を開催しました。前日の不起訴処分を受けて、急きょ呼び掛けた抗議行動にも関わらず、全国から200余名の方が集まってくださいました。みなさま、ありがとうございました。
メディアは、「東電元経営陣、再び不起訴処分へ」のニュースを一斉に報じました。
そんな中、北海道新聞が「社説」にこの問題を取り上げてくださいました。北海道新聞の良識に、心から感謝申し上げます。

東電再不起訴 国民の疑問に答えたか 〈北海道新聞 1月26日 以下抜粋〉
刑事責任を問うべきではないかとの検察審査会の疑問に、真摯に答えたと言えるか。
被災者のみならず、多くの国民にも腑に落ちない結論だろう。
空前の原発事故の真相を解明するためにも捜査資料を裁判という公開の場でつまびらかにし、司法判断を仰ぐべきではないか。
地検に再捜査を求めた前回の議決は常識的な内容だった。 震災の9年前、福島県沖を含む海域で大地震の可能性が予測された。その後、巨大津波対策の必要性が東電社内で認識されながら上層部の判断で先送りされた―。 「人災」という判断だ。なのに地検は今回も「原発の主要機器が浸水する危険性を認識すべき状況にはなかった」とした。
確かに、刑事責任を問う以上、要件は厳格でなければならない。 だが、原発で大事故が起きれば被害は深刻だ。電力会社の経営陣には高度の注意義務が求められ、一般的な事故の過失責任と同列には論じられない。東電の無策と不作為を考える上で見逃せない事実がある。巨大津波は宮城県の東北電力女川原発をも襲ったが、深刻な事故は免れた。計画段階から津波対策を重要課題として敷地を想定津波の5倍の高さの位置に設定していたからだ。
原発を設置する以上、持ってしかるべき問題意識と言えよう。
これでも東電に落ち度はないと言い切れるのだろうか。
検審は検察の判断が適切だったのかを厳しく問うてほしい。

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2月3日(火)、東京地検において「不起訴理由説明会」が開催されました。弁護団から河合弁護士、海渡弁護士、保田弁護士の3人、そして告訴団から30人が駆け付けて、担当検事から直接説明を聞きましたが、その内容は到底納得のいくものではありませんでした。

◆検察側の説明。
半年にわたって捜査し、刑法上の判断を行った結果、第一次裁定と同じ判断に至った。
刑法上で過失責任を問い、これが犯罪であると立証するには、起きた結果について、回避できた可能性もあるけれど、回避できなかった可能性もあっては難しい。
検察審査会の議決を踏まえて、東電が試算していた15.7メートルで事故を回避できたかということを捜査して、証拠に基づく判断においては、対策をしても回避できなかったと、こういう判断にならざるを得ない。刑法上の責任があるかどうかを捜査して判断した。
我々も、異例の捜査体制、異例の捜査期間で、若手も含め捜査にあたった。
ご理解いただきたい。

弁護団からは、納得いかぬ旨、さまざまな質問が飛びましたが、「捜査内容は具体的に話せない。捜査を尽くして判断した。証拠に基づくと、こうした判断にならざるを得ない」と、繰り返し繰り返し説明され、議論は平行線でした。

最後に武藤団長から、「捜査を尽くしたと仰るけれど、納得はできない。国民のほとんどは不起訴に納得いかないと思う。新たな告訴の事件については対応を考え直していただきたい。強制捜査も視野に入れてほしい」との言葉があり、次回、福島での説明会(2月9日)に持ち越されることになりました。

「呆れ果てても諦めず」その気持ちで前に進みましょう。