9月13日、検察官役の指定弁護士が、上告の理由を示した上告趣意書を提出しました。
提出後の記者会見で石田省三郎指定弁護士は、「最高裁では、我々の主張が認められると確信している」と述べました。
福島原発告訴団は、東京電力福島第一原子力発電所の事故により被害を受けた住民で構成し、原発事故を起こし被害を拡大させた責任者たちの刑事裁判を求めて2012年、福島地方検察庁へ告訴を行いました。検察庁が全員を不起訴とするも、市民からなる検察審査会は強制起訴を決定しました。2017年6月30日に初公判が開かれ、刑事裁判がスタートしました。
9月13日、検察官役の指定弁護士が、上告の理由を示した上告趣意書を提出しました。
提出後の記者会見で石田省三郎指定弁護士は、「最高裁では、我々の主張が認められると確信している」と述べました。
キックオフ東京集会
2023年10月1日(日)14:00~16:00
場所: 東京 全水道会館(JR水道橋駅徒歩1分)
キックオフ福島集会
2023年10月7日(土)14:00~16:00
場所: 福島市 福島テルサ 中会議室あづま
東京電力元経営陣3名が強制起訴された福島原発刑事裁判は、いよいよ、最高裁判所での闘いが始まります。
9月中旬には、検察官役の指定弁護士が最高裁判所へ上告の理由を明示した上告趣意書を提出します。
今年1月の東京高裁の控訴審判決は、一審判決を是認し被告3人を全員無罪としました。
控訴審判決は、一審で十分立証された、双葉病院からの危機的な避難と被害者遺族の心情を全く無視したもので、福島第一原発事故で命と生活を奪われた被害者・遺族のみなさんの納得を到底得られない誤った判決です。
また、原子力関連法令の趣旨・目的を踏まえていない誤った判決です。判決要旨に原発事故の記載もなく、原発事故の被害も考慮せず、必要な事故対策をしないことを免罪し、次の原発事故を準備する危険な論理となっています。
指定弁護士は、「国の原子力政策に呼応し、長期評価の意義を軽視するもので、厳しく批判されなければなりません」と述べています。
福島第一原発事故は、多くの人々の生活、人生を壊し、事故から12年を経過しても国土を失わせたままの未曽有の事故であり、日本における最大の公害事件です。被害者・被災者は、現在もその苦しみの只中にいます。今も続く過酷な福島原発事故の被害に真摯に向き合い、原子力行政に忖度した不当な判決を覆すために、最高裁においては、ぜひとも「口頭弁論を開いて、原判決を見直せ!」と、全国から市民の声をあげていきましょう。
10月1日東京、10月7日福島で「東電刑事裁判 最高裁に向けて キックオフ集会」を開きます。上告趣意書を読み解き、被害者の思いをしっかり受け止め、最高裁に向けて決意を新たに、闘いをスタートさせます。汚染水の海洋放出を強行した、東京電力の無責任体制に終止符を打たなくてはなりません。誤った原子力政策にくさびを打ち込みましょう。みなさまのお力をお貸しください。ぜひ、ご参加をお願いいたします。
この闘いに向け、新刊本『東電刑事裁判 問われない責任と原発回帰』(編著:海渡雄一・大河陽子)が刊行されました。
刑事裁判が中心ですが、GX法や老朽化の問題を藤川誠二弁護士が、甲状腺がんと汚染水海洋放出の問題を北村賢二郎弁護士が執筆するなど、多岐にわたる内容です。告訴人の声も掲載されています。福島イノベーション・コースト構想なども含め、現情勢をとらえた必読書です。集会で販売とサイン会を行います。書店や支援団で販売中です。
1月18日の控訴審判決についての裁判報告集会を、郡山市ビッグアイで開催します。
海渡雄一弁護士、大河陽子弁護士の報告、傍聴者のスピーチなどを予定しています。
ぜひご参加ください!
2月12日(日)14:00~16:00
郡山ビッグアイ7階 大会議室(郡山駅西口すぐ)
内容…海渡弁護士・大河弁護士による判決報告、傍聴者のスピーチ など
1月24日、東京高裁の判決を不服として、検察官役の指定弁護士が上告をしたと報道がありました。
東京高裁の不当判決を確定させるわけにはいきません!
告訴団・支援団は、あきらめることなく、上告審に向けてたたかいを続けます。
1月20日、被害者参加代理人弁護団は、この判決は一審判決をそのまま無批判に是認し、命と生活を奪われた被害者・遺族のみなさんの納得を到底得られない誤った判決だなどとして、指定弁護士に上告を求める旨の上申書を提出しました。
福島原発告訴団・福島原発刑事訴訟支援団も同日、原発事故を引き起こした責任を取るべき経営陣を正しく裁くことができなければ、必ず次の原発事故を招いてしまうなどとして、指定弁護士に上告を求める上申書を提出しました。
上告を求める上申書
2023年(令和5年)1月20日
指定弁護士 石田 省三郎 先生
指定弁護士 神山 啓史 先生
指定弁護士 山内 久光 先生
指定弁護士 渋村 晴子 先生
指定弁護士 久保内 浩嗣 先生
福島原発告訴団 団長 武藤類子
福島原発刑事訴訟支援団 団長 佐藤和良
指定弁護士の皆様には、強制起訴の決定以来、一審、控訴審を通して多大なるご尽力を頂きましたことを深く感謝申し上げます。
私たちは2011年の福島第一原発事故に被災し、また多くの被災者が様々な被害を受けていることを見聞きし、当然事故を引き起こした者が裁かれるのだろうと思っていました。しかし一向にそのような動きがないことから、翌2012年に福島原発告訴団を立ち上げ、集団告訴に至りました。二度と自分たちと同じ悲劇が繰り返されないように、真実を明らかにし、原発事故の責任を問う事を切に望んで行ったものでした。
2019年の一審の無罪判決に続き、控訴審での再びの無罪判決は、亡くなられた双葉病院の患者さんのご遺族をはじめ、告訴・告発人でもある多くの原発被害者が全く納得できないものでした。現場検証や証人尋問、避難者訴訟最高裁判決や東電株主代表訴訟判決の証拠採用もせず、審理を尽くさず下した判決の不当さに胸がえぐられる思いでした。福島の地方紙でも県民の落胆と怒りの声が数多く掲載されています。2023年1月19日付福島民報「論説」では、「上告審の場で厳しく審理してほしい」「前向きに考えるべきではないか」と指摘しています。
原発事故は終わっていません。今も7つの市町村に帰還困難区域が存在します。福島第一原発の「廃炉」の定義さえ、まだ決まってはいないのです。裁判所は原発事故の被害の実相や双葉病院の避難の過酷さをどこまで理解しているのか、原発の安全性をどこまで重大なものとして捉えているのか、疑問に思える判決でした。また、かつて例のない原発事故の責任を問う裁判を行っているという気概も誇りも感じることができませんでした。折しも政府が原発回帰の方針を打ち出してきた今、原発事故を引き起こした責任を取るべき経営陣を正しく裁くことができなければ、必ず次の原発事故を招いてしまうでしょう。このまま、この控訴審判決を確定してはならないと強く思います。
再び大変なご苦労をお掛けすることになりますが、どうか最高裁への上告をして下さることを、切にお願い申し上げます。私たちも最後まで、できることの全てを行っていきたいと思っています。何卒宜しくお願い申し上げます。
以上
1月18日の東京高裁控訴審判決は、東電元経営陣3名いずれも無罪とする、とうてい受け入れがたいものでした。
原発の安全性をどこまで重大なものとして捉えているのか、かつて例のない原発事故の責任を問う裁判を指揮するという気概や誇りがあるのか、疑問に思える判決でした。
原発事故を引き起こした責任を取るべき経営陣を正しく裁くことができなければ、必ず次の原発事故を招いてしまいます。このまま、この控訴審判決を確定してはならないと強く思います。
同日、福島原発告訴団・支援団弁護団による抗議声明も出されました。
・東電刑事裁判東京高裁不当判決に抗議する声明(告訴団弁護団)
控訴審判決前の東京高裁前アピール
判決旗出しとスピーチ
1月18日の控訴審判決期日の傍聴券配布時刻と抽選時刻が東京高裁から発表となりました。
■場所:裁判所正門 正面玄関前3番交付所
■交付開始時刻 10時00分頃
■交付締切時刻 10時40分
■抽選結果の発表時刻 11時30分頃
■開廷 14時00分
告訴団・支援団による東京高裁前のアピール行動は、10:50~11:30に行います。
傍聴整理券配布時刻に間に合うようお集まりください。