12月25日 12:00~ 記者会見
12:30~ 地検前緊急行動
13:00~ 東京地検へ申入書提出
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申 入 書
2014年(平成26年)12月25日
最高検察庁
検事総長 大野 恒太郎
様
東京地方検察庁
検事正 青沼 隆之 様
福島原発告訴団
団長 武藤 類子
東京電力福島第一原子力発電所の大事故からもうすぐ4年の月日が流れます。そして私たち福島原発告訴団が福島地検に、この事故の真実を明らかにしてほしい、責任をきちんと追及してほしいと切なる思いで告訴をしてから2年半となりました。被害を受けた者たちは、今なお過酷な状況の中に生きています。
想像してください、一瞬にして家や仕事、そしてふるさとを奪われることを。家族や親しい友や地域社会がバラバラにされてしまうことを。共に暮らした生き物たちを見捨てなければならなかったことを。実りの秋を彩る稲穂の代わりに積み上げられる放射性のゴミの山を。小川での水遊びやどんぐり拾いを奪われた子どもたちのことを。一生涯、放射能の影響による病気や差別を恐れながら生きることを。生活再建のための十分な賠償もなく、先行きの不安を抱えてしのぐ仮設住宅での暮らしを。絶望の果てに自死を選ばざるを得なかった心の内を。この原発事故は、何十万もの人々からそれまで築いてきた人生や暮らし、そして命をも奪ったのです。
では、誰が奪ったのでしょうか。その責任は第一に東京電力元幹部らにあると私たちは思っています。検察審査会は勝俣元会長、武藤元副社長、武黒元副社長に「起訴相当」、小森元常務に「不起訴不当」の議決を出しています。検察審査会の議決は国民の総意だと思います。検察の不起訴理由に異を唱える真っ当な議決であったと思います。検察はその国民の思いを重く受け止めて頂きたいのです。
検察の再捜査が始まってからも、私たちは起訴を相当とするに十分な証拠資料を提出してきました。明らかに、大津波が来ることを予見できるだけの情報を被疑者は把握していました。対策を立てようと思えば出来たのです。他の原発では実際に対策を行い、難を逃れたのです。対策を講じていれば、こんな悲惨な事故を起こさずに済んだのです。私たちは、今頃全く違う暮らしをしていたでしょう。こんな悲しい年の瀬を迎えてはいなかったでしょう。
私たちは理不尽な被害にあった被害者です。被害を与えた者は、法治国家の下で司法に問われなければなりません。「巨悪を眠らせるな 被害者と共に泣け 国民に嘘をつくな」伊藤榮樹元検事総長の言葉です。これが検察の本懐でしょう。今こそ、その持てる力で巨悪を撃って下さい。私たち被害者を助けて下さい。真実を明らかにしてください。不起訴の判断を勇気を持って見直し、今度こそ起訴の決断を下し、歴史的刑事法廷の検察官席に、正義の味方として立つことを決断してください。
下記について申し入れます。
記
1.被疑者勝俣恒久、武藤栄、武黒一郎、小森明生を起訴してください。
以上
証拠資料 甲10号証 平成22年3月24日 森山審議官発メール より
(元資料はウェブサイト「原発と大津波 資料と補足」より公開されています。)