2014年12月31日水曜日

今年もありがとうございました!

告訴・告発人・支援者の皆さま

2014年が暮れて行きます。
今年は、3月の被害者証言集会、6月の証言集の出版、政府事故調公開請求、7月の検察審査会議決、11月の原発事故被害者集会、12月の緊急行動など、福島原発告訴団は休む暇なく行動する日々でした。
皆さまのおかげで最善を尽くすことができたと思います。本当にありがとうございました。

添田孝史さんの著書「原発と大津波」や吉田調書をはじめとする政府事故調調書の一部公開も有り、新たに東電や規制当局の大津波対策に対する不作為が明らかになって来ました。
東京地検が年明け早々に処分を出すと言う報道がなされていますが、この局面での 不起訴はあり得ない!と思います。
多くの国民が見つめています。
検察は、真摯に捜査を尽くし、起訴の決断をするべきです。

皆さん、来年も元気に行動して行きましょう!
どうぞよろしくお願い致します。

福島原発告訴団 団長 武藤類子

撮影:今井明




2014年12月30日火曜日

「電力会社出身者だらけで驚いた」

東京地検は不起訴理由書の中で 、東電は土木学会の津波評価技術に基づいて対策しており、巨大津波の試算についても土木学会に検討を依頼させていたことで過失を問えないとしています。
しかし、土木学会原子力土木委員会、そして津波評価部会はメンバーの大半が電力関係者であり、津波に関する土木学会手法の研究費の全額(約1億8千万円)を電力会社が負担するなど、中立性、公正性に疑問があります。
      平成23年9月 土木学会原子力土木委員会津波評価部会 確率論的津波ハザード解析の方法より

また、12月25日に追加公開された政府事故調の調書でも、地質学の専門家が土木学会や電力会社のありかたに疑問を感じていたことが示されています。



  政府事故調査委員会ヒアリング記録 岡村行信調書より

起訴相当の判断を下した検察審査会の議決でも、東電が土木学会へ想定津波の検討を依頼したことを「時間稼ぎ」と断じていますが、電力会社の影響下にある「学会」を利用して必要な対策を怠っていたことがうかがえます。

テレビ朝日ANNニュース「『津波』の表現和らげるよう依頼」

2014年12月29日月曜日

「やれと言われても、何が起こるかわかりませんよ」

福島原発告訴団は、12月9日に東京地検に新たな証拠資料を添え、上申書を提出しました。12月12日付記事「上申書提出『原発と大津波』
証拠資料の一つ「森山審議官メール」の中で、保安院の審議官と東電幹部の間で従来の想定を超える津波の対策が必要であることを認識して、それを引き延ばそうとしていたことがうかがえます。
  告訴団12/9付上申書 証拠資料 甲10号証 森山審議官発メール「1F3バックチェック(貞観の地震)」より

また、12月25日に追加公開された政府事故調の保安院小林勝調書で、東電から巨大津波の試算が報告されたこと、その対策を主張した小林室長に対し、保安院幹部が「余計なことを言うな」「関わるとクビ」などと圧力を掛けていたことが明らかになりました。

  政府事故調査委員会ヒアリング記録 小林勝調書 2014年12月25日公開分より

東京電力は従来の想定を超えるほどの巨大津波が来襲する可能性を認識していましたが、原子力安全・保安院や原子力安全委員会という規制側とグルとなって、対策を引き延ばしていたことがうかがえます。

*「森山審議官メール」元資料はウェブサイト「原発と大津波 資料と補足」より公開されています。
*「小林勝調書」元資料は内閣官房ウェブサイトより公開されています。


2014年12月26日金曜日

「不起訴は許さないぞ! 東京地検前緊急行動」

「年明けに不起訴?」という情報がもたらされたため、緊急に呼びかけさせていただいた「不起訴は許さないぞ! 東京地検前緊急行動」に、200人もの方が集まってくださいました。お寒い中、しかも師走の慌ただしい中、集まってくださったみなさま、本当にありがとうございました。

緊急行動と並行して12時から、告訴団と弁護団が弁護士会館で記者会見を行いました。何も対策をしなければ、地震や津波で原発過酷事故が起こるということを東電も国も十分に予測してたこと、そして費用を惜しむあまり対策を取らずにきたこと、そのことを示す調査事実が次々と上がっていることを伝えました。万が一、旧東電経営陣が「まったく知らなかった」と言い逃れするのであれば、知ることができる状況にありながら知る努力を怠ってきた企業責任があることも示しました。このようにたくさんの証拠があるのであるから、東電に強制捜査を行い、必ず起訴すべき事件であることを、メディアもひろく報道してほしいと訴えました。

 
記者会見の後、東京地検前緊急行動に合流。200人の参加者と共に「起訴相当」のリーフレットを手に、抗議の声をあげました。


大熊町から会津若松市の仮設住宅に避難中の木幡ますみさんからは、東電旧経営陣の責任を示す具体的な証言もありました。
「大熊町にいるときに、原発のモニターをやりました。いろいろな質問をしました。『津波対策はどうですか。津波が来たら大変でしょう』というと、吉田所長が当時、津波対策の担当で、彼が『そうですねぇ…』といったら、勝俣が『吉田くん、吉田くん、お金がかかるんだから余計なことを言うんじゃないよ』といいました。私は『お金かかったってなんだって、津波対策はしなくちゃいけないでしょう』といいました…」
(下記動画の30:30辺りから木幡さん)


20141225 UPLAN 福島原発告訴団:不起訴は許さないぞ!東京地検前緊急行動

参加者全員で、「地検自らが起訴せよ!」「強制捜査をせよ!」「被疑者4人を起訴せよ!」「原発事故の責任を追及せよ!」と検察に向かって叫んだあと、代表者たちが検察に入り、申し入れ書を提出しました。

申入書ダウンロード(PDF)


■年賀状作戦をお願いします■
これから年末年始が一つの山場です。東京地検に年賀状を出しませんか。検察自らの手で必ず起訴してくれることを信じている、その気持ちを年賀状に添えて、東京地検へ送ってください。
 
たとえば、
  • 東京地検が自ら、起訴してください。
  • 被疑者4人を起訴してください。
  • 強制捜査をしてください。
  • 検察の手で裁判を起こしてください。
  • 今年こそ、よい一年を迎えさせてください。
<宛先>
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1丁目1番1号
東京地方検察庁 
福島原発告訴団の告訴・告発事件 担当検事 様


■報道■
東電元幹部、再び不起訴へ 福島原発事故で東京地検(中日新聞)
東電元幹部、再び不起訴へ 東京地検 年明けに最終判断(東京新聞)
津波対策「関わるとクビ」 10年 保安院内部で圧力(東京新聞)


来年1月16日、再び東京地検前行動を行います。
みなさま、スケジュールに書き入れてください。


2014年12月25日木曜日

【緊急行動】検察庁に申し入れ

12月25日 12:00~ 記者会見
         12:30~ 地検前緊急行動
         13:00~  東京地検へ申入書提出
申入書ダウンロード(PDF)



申 入 書

2014年(平成26年)12月25日
最高検察庁
検事総長 大野 恒太郎 様
東京地方検察庁
検事正 青沼 隆之 様

福島原発告訴団
団長 武藤 類子

 東京電力福島第一原子力発電所の大事故からもうすぐ4年の月日が流れます。そして私たち福島原発告訴団が福島地検に、この事故の真実を明らかにしてほしい、責任をきちんと追及してほしいと切なる思いで告訴をしてから2年半となりました。被害を受けた者たちは、今なお過酷な状況の中に生きています。
想像してください、一瞬にして家や仕事、そしてふるさとを奪われることを。家族や親しい友や地域社会がバラバラにされてしまうことを。共に暮らした生き物たちを見捨てなければならなかったことを。実りの秋を彩る稲穂の代わりに積み上げられる放射性のゴミの山を。小川での水遊びやどんぐり拾いを奪われた子どもたちのことを。一生涯、放射能の影響による病気や差別を恐れながら生きることを。生活再建のための十分な賠償もなく、先行きの不安を抱えてしのぐ仮設住宅での暮らしを。絶望の果てに自死を選ばざるを得なかった心の内を。この原発事故は、何十万もの人々からそれまで築いてきた人生や暮らし、そして命をも奪ったのです。
では、誰が奪ったのでしょうか。その責任は第一に東京電力元幹部らにあると私たちは思っています。検察審査会は勝俣元会長、武藤元副社長、武黒元副社長に「起訴相当」、小森元常務に「不起訴不当」の議決を出しています。検察審査会の議決は国民の総意だと思います。検察の不起訴理由に異を唱える真っ当な議決であったと思います。検察はその国民の思いを重く受け止めて頂きたいのです。
検察の再捜査が始まってからも、私たちは起訴を相当とするに十分な証拠資料を提出してきました。明らかに、大津波が来ることを予見できるだけの情報を被疑者は把握していました。対策を立てようと思えば出来たのです。他の原発では実際に対策を行い、難を逃れたのです。対策を講じていれば、こんな悲惨な事故を起こさずに済んだのです。私たちは、今頃全く違う暮らしをしていたでしょう。こんな悲しい年の瀬を迎えてはいなかったでしょう。
 私たちは理不尽な被害にあった被害者です。被害を与えた者は、法治国家の下で司法に問われなければなりません。「巨悪を眠らせるな 被害者と共に泣け 国民に嘘をつくな」伊藤榮樹元検事総長の言葉です。これが検察の本懐でしょう。今こそ、その持てる力で巨悪を撃って下さい。私たち被害者を助けて下さい。真実を明らかにしてください。不起訴の判断を勇気を持って見直し、今度こそ起訴の決断を下し、歴史的刑事法廷の検察官席に、正義の味方として立つことを決断してください。
下記について申し入れます。
 

1.被疑者勝俣恒久、武藤栄、武黒一郎、小森明生を起訴してください。

以上



証拠資料 甲10号証 平成22年3月24日 森山審議官発メール より
(元資料はウェブサイト「原発と大津波 資料と補足」より公開されています。)

2014年12月24日水曜日

【緊急行動】東京地検前に集合!

何も対策をしなければ、地震、津波で原発過酷事故が起こるということを、東電も国も十分に予測してたという調査事実を基に、12月9日、福島原発告訴団は新たな上申書を東京地検に提出しました。
さらに12月22日、「だめ押し」の上申書を追加で提出しました。
東京地検は、起訴できるだけの証拠が次々と明らかになっているにもかかわらず、いまだに強制捜査もせず、東電旧経営幹部を聴取したという報道も聞こえてきません。
原発事故被害者は、泣き寝入りしろということでしょうか?
私たちは、こんな思いで、新しい年を迎えることはできません。
東京地検に対して、東電旧経営幹部の「不起訴は許さない!」と、 緊急行動を行います。
ぜひ、ご参加をお願いいたします!

「不起訴は許さないぞ! 東京地検前 緊急行動」 

(日時) 12月25日(木) 12:30~13:00
(場所) 東京地検前



*12月22日提出 追加上申書
  ダウンロード(PDF)

*12月12日の院内集会で行われた対談「検察は、起訴すべきである」の書き起こし
  ダウンロード(PDF)

2014年12月14日日曜日

「起訴を!東京地検包囲行動&院内集会」「東電抗議行動」

12月12日、「起訴を!東京地検包囲行動&院内集会」では、全国から集まった250人が再捜査期限の迫る地検へ、地検自身が元東電幹部らを起訴するよう「激励」のアピールをしました。
その後東電前に移動し、汚染水によってこれ以上海を汚さないよう、サブドレン汚染水とさらに海側の地下水ドレンからの汲み上げ放出の計画を中止するように、福島原発告訴団と脱原発福島ネットワークがそれぞれ要請書を提出しました。

包囲行動に先立って、参議院議員会館で12:00より院内集会が開かれました。
はじめに、福島原発告訴団・関西の福本俊夫さんより、滋賀県の放射能汚染チップ不法投棄事件について報告がありました。
続いて、「検察は起訴すべきである」と題し、古川元晴さん(元京都地検検事正)と船山泰範さん(日大法学部教授)が、海渡雄一弁護士の司会によって対談しました。12月9日に地検へ提出した上申書と新たに判明した証拠書類を踏まえ、一般常識から合理的に導かれる根拠による「危惧感説」はもちろん、従来の厳格な「具体的予見可能性説」からも起訴できることが指摘されました。また、刑法とは単に人を処罰するためにあるのではなく、刑事制裁を通して国民が安心して生活できる社会をつくるためにあると話されました。
 *院内集会の映像がご覧になれます
  2014.12.12 福島原発告訴団 起訴を!東京地検・東電包囲行動&院内集会(nomorefukushima2011さん)
  20141212 UPLAN【院内集会】起訴を!東京地検・東電包囲行動&院内集会(祐児三輪さん)

*記者会見の映像はこちら
  IWJ Ch6 2014/12/12 17:23(日時が経つと見られなくなる可能性があります)

上申書・要請書については12月12日記事「上申書提出 『原発と大津波』」よりご覧ください


2014年12月12日金曜日

上申書提出 『原発と大津波』

福島原発告訴団は、12月9日、東京地検に上申書を提出しました。
今回の上申書は、第一に、11月に刊行された添田孝史著 岩波新書『原発と大津波 警告を葬った人々』(岩波書店)の内容を概観しながら、元東電幹部らが津波想定を葬ってきたことを論証、
第二に、開示された吉田調書などから、東電幹部の安全認識の根本的な誤りを指摘しました。

上申書ダウンロード(PDF)
参考資料「津波想定の経過時系列表」(PDF)
起訴相当リーフレット(PDF) (2.1MB)

*上申書で示した証拠資料など、添田孝史さんが開示請求した関連資料などは、ウェブサイト「原発と大津波 資料と補足」より公開されています。
原発と大津波 資料と補足 リンク

添田孝史 著 『原発と大津波 警告を葬った人々』岩波新書
























12:00~  院内集会「起訴を!」
14:00~ 東京地検包囲行動
15:00~ 東電前抗議行動

東京電力へ要請書提出!

要請書ダウンロード(PDF)

サブドレン汚染地下水海洋放出に関する要請書

東京電力株式会社
代表執行役社長 廣瀬直巳様
20141212

 海は、あらゆる命の源です。東京電力福島第一原子力発電所事故により海に流れ出した放射性物質の量は「京」と言う天文学的な単位になるほどです。海の汚染は今後世界の深刻な問題となるでしょう。
 現在も流れ出している汚染水に加えて、20145月からは「地下水バイパス」と言う名で汚染水が総量規制もなく海に流されました。11月中旬までに放出されたトリチウムは115億ベクレルに上ります。更に東電は原子炉建屋やタービン建屋周辺の井戸「サブドレン」から汲み上げた汚染水から放射性物質を除去し海へ放出する計画を進めています。しかし地下水バイパス同様にトリチウムは除去されず、総量規制もありません。漁業者や地域住民は更なる海の汚染に反対しています。この深刻な海洋汚染は、事故当初の東電の対策の在り方に問題があるとの考えから、福島原発告訴団は公害罪で刑事告発をしています。東電はこれ以上海を汚染しないよう、汚染水対策を抜本的に見直し、技術の確立していない凍土壁ではなくスラリー壁の導入や、汚染地下水のコンクリート固化管理など、新たな対策を立てて下さい。


1.          サブドレン汚染地下水の海洋放出計画を中止すること
2.           汚染水対策を抜本的に見直し、現場作業員の被ばく低減を行いながら、新たな対策を行うこと
3.           汚染水対策の初動を誤り、海洋汚染を深刻な事態に陥らせた罪を認め自首すること。

以上

 福島原発告訴団
団長 武藤類子



2014年12月8日月曜日

対談「検察は、起訴すべきである」


◆チラシのPDF(クリックしてダウンロードください) 

「起訴を! 東京地検・東電包囲行動&院内集会」

検察審査会の「起訴相当」議決を受け、東京地検は捜査期限を2015年 2月2日まで延長して再捜査しています。検察は東電元幹部を起訴すべきではないのか。刑法の専門家中の専門家お二人を招いての対談を行います。

〈日程〉2014年12月12日(金)

〈会場〉参議院議員会館B-104(100名)
満席の場合、第2会場「102」(50名)での中継視聴になります。

〈タイムスケジュール〉
11:30   参議院議員会館入り口で通行証配布
12:00   開会

<対談>「検察は、起訴すべきである」
  • 古川元晴さん 元京都地検検事正、元内閣法制局参事官
  • 船山泰範さん 日大法学部教授
  • 告訴人スピーチ
13:30   閉会  (東京地検前へ移動)

地検包囲行動・東電抗議行動も行います!

14:00   東京地検包囲行動 開始
14:30   終了
15:00   東電本社前へ移動 抗議行動
        要請書提出
15:30   終了
15:45   福島からのバス出発

◆福島からバスが出ます。(バス代・1500円)
中通りコース  7:00 福島駅西口、8:00 郡山教組、<連絡先080-5739-7279(事務局)>
いわきコース  8:00 いわき市役所、<連絡先090-2024-7012(ふるかわ)>